<金> NY金12月限は今月3日に4558.5ドルまで値を切り上げた後、軟調な展開と なったが4300ドルを割り込むと買い戻され、下落に対する抵抗も窺わせている。 15〜16日に開催された米公開市場委員会(FOMC)では予想通り、0.25% の利上げが決定された。米連邦準備理事会(FRB)による利上げは8月の米消費者物 価指数(CPI)、8月の生産者物価指数(PPI)などでインフレ高進が確認できた うえ、8月の米雇用は安定が明らかになったため、事前に利上げを予想する比率が 80%を超えていたため、利上げの決定と同時に織り込まれた感が強い。NY原油が 100ドルを超える水準まで上昇していたため、9月CPI、9月PPIは引き続き高 水準の伸びを示す可能性が高い。 ウォーシュFRB議長は、これまでたびたび物価安定に注力する姿勢を示してきただ けに、今後もインフレ高進が見込まれることで年内の再利上げの可能性が意識される。 インフレ高進の原因は原油高騰以外の複数の要因が絡み合っていることが、利上げ観 測を強める根拠となっている。 インフレ高進を促す要因には、原油高によってバイオ燃料の需要増加観測及び世界的 な荒天を受けた穀物価格の高騰、世界的な人工知能(AI)需要の増加やこれを受けた 電子機器類の価格上昇、トランプ米政権による関税引き上げといった複数の要因が挙げ られる。 トランプ米大統領はイランとの戦闘が終結に向かうことを望む、と発言したと伝えら れており、米中間選挙を11月に控えていることからも、今後、米国とイランの間の緊 張が緩和に向かう可能性も出てきている。 これが原油価格の安定的な下落を促すようであれば、NY金市場にとっては買い支援 要因になってくるため、引き続き米国とイランの状況を注意する必要がある。 原油価格の高騰を受けた米長期債の利回り上昇も重石となっているため4400ドル が近づくと頭が重くなる動きが続く一方、各国の財政悪化を懸念した安全資産としての 買いが下支え要因になっている。 引き続き4300ドルを下値支持線として意識する底固い動きとなるなか、中東情勢 の緊張緩和に向かう動きが見られるようであれば4400ドルを上抜く可能性があるな かでのもちあい継続が予想される。 <銀> NY銀12月限は今月10日に大きく値を落とした後も軟調地合いを維持したが、 6300セントに近づくと買い戻される底固い動きとなっている。 米公開市場委員会(FOMC)での利上げの決定は上値抑制要因ながら、好調な経済 は工業用の銀需要を刺激する要因となる。 金の頭重い動きが上値抑制要因ながら、21日移動平均が通る6707セントを目先 の上値目標にしたうえで6500セントを挟んでの高下になると見られる。 <白金> NY白金10月限は9月10日に大きく値を落とした後は1820ドル前後を上値抵 抗線とする一方、1750ドルが下値支持線として意識されるなかでのもちあいとなっ ている。 米連邦準備理事会(FRB)の利上げは上値抑制要因ながら、米国の堅調な経済は需 要を支える要因となる。中東情勢の動きに注目する必要はあるが、目先はインフレ高進 とこれを受けた今後の利上げ観測が上値抵抗線となる一方、産業用としての需要の根強 さに支えられ、1800ドル前後での小動きが続くことになりそうだ。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は1300ドルを前後する動きが続いている。中東情勢や 原油価格の動向、そして経済指標の内容を睨みながらの高下が他非鉄貴金属で見込まれ るだけに、NYパラジウム12月限ももちあい継続が想定される。 MINKABU PRESS
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