【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:日米当局の介入警戒と欧州エネルギー不安が重石、178円を割り込み176円台前半へ底割れ進行

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:日米当局の介入警戒と欧州エネルギー不安が重石、178円を割り込み176円台前半へ底割れ進行

先週から週明け(9月28日〜10月5日)のまとめ
9月28日からの週は、日米要人による協調的な円安牽制発言と、中東地政学リスクを背景とした原油高・米金利高が交錯し、激しい上下動を繰り返す展開となった。高市首相やベッセント米財務長官らによる円安牽制がドル円の160円手前での上値を強力に抑え込む一方、米政府によるディーゼル輸出禁止報道や欧州のエネルギー不安拡大からドル全面高が加速。ユーロドルが1.12ドル台前半の安値圏へ売られたことが波及し、ユーロ円は上値の重さが際立った。日銀短観や東京都区部CPIの加速から日銀の追加利上げ観測が意識される場面もあったが、10月1日には日銀「主な意見」での内閣府による利上げ牽制が判明し一時反発(179.31円まで上伸)。しかし週末の米雇用統計下振れや、欧州の独仏10年債利回り格差拡大(152bp)などユーロ固有の売り材料が重なり、週明け5日(月)には一時176.22円まで下値を切り下げた。足元(6日昼)も177円台前半での底傍いが続いており、178円台を背にした戻り売り圧力が継続している。

詳細な値動きの振り返り
■ 日米要人の牽制砲と179円台での揉み合い(9月28日〜29日)
週初28日(月)の東京市場では、前週末の急落からの買い戻しにより一時179.73円まで反発する場面が見られた。しかし、三村財務官ら日米当局による「円の過小評価に対する明確な懸念」が伝えられると介入警戒感が一気に高まり、ロンドン市場では178.20円付近まで約1.5円急落。その後はNY市場での原油高・ドル高に支えられて179円台近辺へ買い戻されるなど荒い値動きとなった。29日(火)も片山財務相の牽制発言や全般的なドル高圧力により、対ドルでのユーロ安が重石となって178円台後半での上値の重い推移が続いた。

■ 日銀利上げ牽制による一時的反発と米雇用統計での荒い値動き(9月30日〜10月2日)
30日(水)は東京午前に豪ドル円の急落につれ安して177.34円まで売られたが、欧州CPI上振れに伴うECB利上げ観測から178円台前半へ持ち直した。10月1日(木)には、日銀金融政策決定会合の「主な意見」で内閣府から利上げ影響点検を求める牽制的な意見が出されていたことが判明。早期の大幅・連続利上げ警戒が後退したことで円売りが進み、ユーロ円は一時179.31円まで上昇した。しかし、米ディーゼル輸出禁止報道に伴う欧州エネルギー不安から対ドルでユーロが急落(1.12ドル台へ)すると178円台前半へ押し戻された。2日(金)の米9月雇用統計発表直後には、非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回り一時176.62円まで急落したものの、その後のドル円の買い戻しに連れて177.80円前後まで巻き戻して取引を終えた。

■ 176円台前半への一段安と足元での停滞(10月5日〜足元)
週明け5日(月)は東京早朝に178.03円まで買われる場面があったものの、欧州市場にかけて独仏10年債利回り格差がユーロ危機以来の水準(152bp)まで拡大したことや、フランス財政不安などが重石となり売り圧力が再燃。一時176.22円まで下値を切り下げ、直近の安値を更新した。NY市場にかけて177円台を回復したものの反発力は限定的であり、足元(6日昼)も177.10〜177.30円付近での重苦しい揉み合いが続いている。

ファンダメンタルズ分析
日本・米国側:160円の「防衛線」と日米協調牽制の重圧力
日本側は高市首相、片山財務相、三村財務官、米国側はベッセント米財務長官が揃って円安牽制のメッセージを発信したことで、市場ではドル円の160円超えに対する実弾・協調介入への恐怖感が定着した。日銀短観の改善や東京都区部コアCPI(+2.7%)の加速は日銀の追加利上げを支持する一方、政府・内閣府からの利上げ牽制姿勢も交錯しており、円高・円安双方の動機が錯綜している。しかし、160円手前での頭の重さが強い以上、クロス円であるユーロ円の上値も決定的に制限されている。

欧州側:エネルギーリスク再燃と独仏金利差拡大(政治・財政不安)
欧州側は厳しさを増している。米国のディーゼル輸出禁止報道による欧州のエネルギー不安高騰に加え、フランスの財政課題や政治リスクから独仏10年債利回り格差が152bpへと拡大。ECBの利上げ再開観測はあるものの、地政学リスク・インフレ懸念・財政懸念がトリプルで重なり、対ドルでユーロは一時1.12ドル台前半まで売られた。対ドルでのユーロ安(ユーロドル安)が、ユーロ円の上値を根底から押し下げる主因となっている。

テクニカル分析
トレンド判断
180円台を完全に割り込んだだけでなく、先週までサポートとして機能していた178.00円の節目も明確に下抜け、短期・中期の「下落トレンド」が一段と強まっている。178.00 - 178.20円ラインが強烈な「レジスタンス(上値抵抗帯)」へとロールリバーサル(役割転換)を果たしており、日足の移動平均線群も下向きを強めている。10月5日につけた176.22円を明確に割り込んだ場合、175円台前半への下落余地が拓けるテクニカル構造となっている。

【ユーロ円 主要なレジスタンス・サポートライン(大幅見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 179.30 - 179.50円 (10/1反発高値水準、179円台回復の壁)
レジスタンス2: 178.00 - 178.20円 (かつてのサポートライン、現在の強烈なロールリバーサル抵抗線)
レジスタンス1: 177.50 - 177.70円 (直近の揉み合い上限、短期戻り売りポイント)

(下値支持帯)
サポート1: 176.20 - 176.40円 (10/5につけた直近の最安値水準)
サポート2: 175.50 - 175.80円 (176円割れ後の心理的・構造的サポート帯)
サポート3: 174.80 - 175.00円 (大台の節目のライン、割り込むと下落加速リスク)

今週のポイント・見通し
今週の焦点は、178円の大台が強固な上値抵抗となった中で、「176.20円の直近安値を割り込み、175円台へと下値を拡大するかどうか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り優位の展開、178円を背に175円台トライへ
日米当局による円安牽制からドル円の上昇余地が限られる中、欧州のエネルギー不安や政治・財政リスクに伴う対ドルでのユーロ安が継続する公算が大きい。177円台半ば〜178円近辺への反発場面があっても、介入警戒感とユーロ売りに戻り目を叩かれる展開を想定する。176.20円のサポートを割り込めば、ジリジリと下値を切り下げ、175円台後半〜175円台前半を目指す下落トレンドを予想する。

想定レンジ: 175.50 - 178.20円
根拠: 日米協調介入警戒感による円売り頭打ち、欧州エネルギーリスクと独仏金利差拡大(152bp)によるユーロ自体の弱さ、178円大台のロールリバーサル抵抗化。

【対抗シナリオ】原油価格急落と地政学リスク後退による買い戻し
イラン停戦交渉の進展や原油価格の急落により、欧州のインフレ・エネルギー不安が和らいだ場合。また、日銀の早期利上げ牽制を受けて円売りが再燃した場合。この場合、178.00円のレジスタンスを突破してショートカバーを巻き込み、179円台前半(10/1高値の179.30円方向)を目指して反発する可能性がある。

想定レンジ: 176.50 - 179.30円
根拠: 地政学リスク改善に伴うエネルギー不安の和らぎ、日銀利上げ遅延観測による買い戻し。

総評
ファンダメンタルズ環境は「日米当局による強力な円安牽制」と「欧州のエネルギー・財政懸念に伴うユーロ安」が重なるダブルパンチの様相を呈している。160円を明確な「実弾介入警戒ゾーン」と認識する市場においてドル円の上値が重く、さらに対ドルでのユーロ売りが強まっているため、ユーロ円の下押し圧力はドル円以上に強い。

基本戦略としては、前週のスタンスを継続し「戻り売り(ショート)」が極めて優位である。178.00 - 178.20円のレジスタンスゾーンを引き付けての戻り売りを基本線とし、178.20円を超えて日足終値が定着しない限り下目線を維持したい。176.20円の下抜けに成功すれば追随売りも検討できる局面である。地政学ヘッドラインによる突発的な上下の振れに対応するため、リスク管理とストップロスの厳守が引き続き欠かせない。

今週の主な指標
ユーロ圏
10/05 17:00 サービス業PMI(購買担当者景気指数・確報値) (9月) 結果 53.0 予想 53.0 前回 53.0
10/05 18:00 生産者物価指数(PPI) (8月) 結果 1.9% 予想 1.9% 前回 1.6% (前月比)
10/05 18:00 生産者物価指数(PPI) (8月) 結果 8.2% 予想 7.9% 前回 5.8% (前年比)
10/06 18:00 小売売上高 (8月) 予想 0.3% 前回 -0.6% (前月比)
10/06 18:00 小売売上高 (8月) 予想 1.1% 前回 0.6% (前年比)
ドイツ
10/05 16:55 非製造業PMI(購買担当者景気指数)(確報値) (9月) 結果 52.9 予想 52.9 前回 52.9 
10/06 15:00 製造業新規受注 (8月) 予想 -1.0% 前回 2.5% (前月比)
10/06 15:00 製造業新規受注 (8月) 予想 13.1% 前回 13.1% (前年比)
10/07 15:00 鉱工業生産指数 (8月) 予想 0.6% 前回 -1.1% (前月比)
10/07 15:00 鉱工業生産指数 (8月) 予想 0.7% 前回 -1.6% (前年比)
10/08 15:00 貿易収支 (8月) 予想 192.0億ユーロ 前回 213.0億ユーロ 
フランス
10/05 16:50 非製造業PMI(確報・購買担当者景気指数) (9月) 結果 51.2  予想 51.4  前回 51.4
10/06 15:45 鉱工業生産指数 (8月) 予想 0.3% 前回 -0.4% (前月比)
10/06 15:45 財政収支 (8月) 前回 -1459.0億ユーロ
10/07 15:45 経常収支 (8月) 前回 -47.0億ユーロ 
10/07 15:45 貿易収支 (8月) 前回 -66.69億ユーロ

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