【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:178円台での強固な戻り売り圧力を確認、上値の重さを嫌気し再び176円台へ下値模索

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【通貨別まとめと見通し】ユーロ円:178円台での強固な戻り売り圧力を確認、上値の重さを嫌気し再び176円台へ下値模索

先週から週明け(10月5日〜10月12日)のまとめ
10月5日からの週は、前週に直近安値(176.22円)を付けた反動による買い戻しと、欧州の構造的な弱さを背景としたユーロ売りのせめぎ合いとなった。週前半は自律反発の動きが先行し、6日から7日にかけて一時178.34円まで上値を伸ばす場面が見られた。しかし、前週までサポートとして機能していた178円台は強烈なレジスタンス(上値抵抗帯)へと変貌を遂げており、戻り待ちの売り圧力に上値を完璧に抑え込まれた。その後は欧州のエネルギー不安やフランスの財政懸念などユーロ固有の売り材料が再び意識され、7日夕方には176.55円へと急反落。週末9日にかけてはショートカバー(買い戻し)により177.80円台まで持ち直したものの、178円台には届かず失速した。週明け12日(月)から足元(13日昼)にかけては、日米当局による円安牽制への警戒感も相まって上値が切り下がり、176.80円付近での重苦しい推移となっている。結果として「178円の壁」の厚さが証明され、下値リスクを抱えたままの展開が続いている。

詳細な値動きの振り返り
■ 178円台への買い戻しと分厚い壁(10月5日〜10月7日午前)
5日(月)に176.22円の直近安値を付けた後は、短期的な突っ込み警戒感から買い戻しが優勢となった。6日(火)の海外市場にかけて178円台を回復すると、7日(水)の東京午前には一時178.34円まで上昇。しかし、178円台前半では前週の急落で捕まったロング勢のやれやれ売りや、新規の戻り売りが殺到し、滞空時間は極めて短いものとなった。

■ 欧州不安再燃による急反落と176円台中盤での底練り(10月7日午後〜10月8日)
7日の欧州市場に入ると、フランス財政リスクやユーロ圏の景気先行き懸念を背景とした対ドルでのユーロ売りが強まり、ユーロ円も連れ安の展開に。一気に売りが加速し、同日夕方には176.55円まで約1.8円の急反落を演じた。8日(木)の東京午前にも176.53円まで下値を広げ、5日に付けた最安値(176.22円)をうかがう展開となったが、売り一巡後は177円台前半へ小幅に持ち直すなど、176円台中盤での底練りが続いた。

■ 週末のショートカバーと週明けのジリ安展開(10月9日〜足元)
9日(金)は週末を控えたポジション調整の買い戻し(ショートカバー)が入り、欧州市場にかけて177.87円まで反発。しかし、178円の大台を前に明確に失速し、上値の重さを改めて露呈した。週明け12日(月)は目立った反発力を見せられず、177.50円前後を上限とした小幅な値動きに終始。足元13日(火)昼にかけては徐々に売りが優勢となり、176.80円付近まで水準を切り下げるなど、戻り売り意欲の強さがうかがえる推移となっている。

ファンダメンタルズ分析
日本・米国側:介入警戒感が相場の天井を強力に蓋
高市首相や片山財務相、米国のベッセント財務長官らによる日米協調的な円安牽制発言の余韻は色濃く残っており、ドル円の上値は引き続き重い。市場は「160円近辺は実弾介入の絶対防衛ライン」との認識を強めており、ドル円の上昇余地が限られる中、クロス円であるユーロ円も円安方向への推進力を欠いている。日銀の追加利上げに関しては内閣府からの牽制もあり見方が割れているものの、為替市場における「円売りへの恐怖感」は相場の天井を強力に蓋している。

欧州側:払拭できない構造的弱さと対ドルでのユーロ売り
ユーロ圏のファンダメンタルズは依然として脆弱である。中東情勢を受けたエネルギー価格の高止まりリスクに加え、独仏10年債利回り格差の高止まりが示すフランスの政治・財政不安が重石となっている。ECB(欧州中央銀行)の政策スタンスに対する不透明感も相まって、投機筋のユーロ売りポジションは高止まりしている。対ドルでのユーロ安トレンドが継続していることが、ユーロ円の反発を根底から阻害している主因である。

テクニカル分析
トレンド判断
先週指摘した「178.00 - 178.20円のロールリバーサル(役割転換)」が見事に機能し、10月6日・7日の反発局面においてこの水準が強固な「レジスタンス(上値抵抗帯)」として立ちはだかったことが確認された。日足ベースでの下落トレンドは継続しており、高値・安値をともに切り下げる形状となっている。直近では177円台後半ですら上値が重くなっており、10月5日の安値176.22円、ひいては176.00円の大台割れを再び試しに行くテクニカル構造と言える。

【ユーロ円 主要なレジスタンス・サポートライン(見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 178.30 - 178.40円 (10/6〜10/7の戻り高値水準、当面の決定的な壁)
レジスタンス2: 178.00 - 178.20円 (心理的節目、強固なロールリバーサル抵抗線)
レジスタンス1: 177.60 - 177.90円 (10/9戻り高値水準、短期的な上値のキャップ)

(下値支持帯)
サポート1: 176.50 - 176.60円 (10/7〜10/8に下げ渋った直近のサポート水準)
サポート2: 176.20 - 176.40円 (10/5につけた最安値水準、ここを割ると下落加速)
サポート3: 175.50 - 175.80円 (176円割れ後の心理的・構造的サポート帯)

今週のポイント・見通し
今週の焦点は、先週の反発局面で「178円台の強力なレジスタンス化」が証明されたことを受け、下値サポートである「176.20〜176.50円ゾーンを明確に下抜けできるか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り継続、178円を背に176円割れ・175円台トライへ
日米当局の介入警戒感が円売りを抑制し、欧州のファンダメンタルズ悪化がユーロ売りを促すという「ダブルパンチ」の構図に変化はない。177円台後半への反発場面は絶好の戻り売り場として機能しやすく、上値の重さを嫌気したロング勢の投げ売りを巻き込みながら、176.20円の最安値を更新する展開を想定する。176円の大台を明確に割り込めば、ストップロスを巻き込んで175.50円付近まで下落圧力が強まる公算が大きい。

想定レンジ: 175.50 - 178.10円
根拠: 178円台での戻り売り圧力の証明、対ドルでのユーロ安トレンドの継続、日米当局による介入警戒感。

【対抗シナリオ】地政学リスク後退等による178円台突破とショートカバー
中東の地政学リスクが突如として緩和し原油価格が急落するなど、欧州のエネルギー不安が急速に後退した場合。あるいは、日銀関係者から極端なハト派発言が飛び出し、円売りが全般的に再燃した場合。このケースでは、178.40円のレジスタンスを突破することで売り方の買い戻し(ショートカバー)を巻き込み、179円台回復を目指す動きとなる可能性がある。

想定レンジ: 176.50 - 179.10円
根拠: 欧州エネルギーリスクの急低下、日銀ハト派観測による円売り再燃に伴うショートカバー。

総評
10月第1週の値動きを通じて、178円台が明確な「戻り売りの壁」として機能することが市場に強く印象付けられた。ファンダメンタルズ面でもユーロを買う理由は乏しく、日米当局の牽制網により円安方向への逃げ道も塞がれている。

基本戦略としては、引き続き「戻り売り(ショート)」が極めて優位な局面である。177.50〜178.00円のゾーンへと引き付けてのショートメイクを基本とし、178.40円を超えて定着しない限りは下目線を堅持したい。足元はジリ安の展開となっているが、176.50円、そして176.20円のサポートを下抜けた際の「下落の加速」には十分に注意を払い、利益を伸ばす準備をしておきたい相場環境である。リスク管理として、178円台半ばへのストップロス配置は引き続き必須となる。

今週の主な指標
ユーロ圏
10/15 18:00 鉱工業生産指数 (8月) 予想 0.2% 前回 -0.1% (前月比)
10/15 18:00 鉱工業生産指数 (8月) 予想 0.1% 前回 0.0% (前年比)
10/16 18:00 貿易収支 (8月) 前回 142.0億ユーロ (季調前)
10/16 18:00 貿易収支 (8月) 前回 50.0億ユーロ (季調済)
10/16 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (9月) 予想 3.8% 前回 3.8% (前年比)
10/16 18:00 消費者物価指数(HICP・確報値) (9月) 予想 2.5% 前回 2.5% (コア・前年比)
ドイツ
10/13 15:00 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 0.6% 前回 0.6% (前月比)
10/13 15:00 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 3.3% 前回 3.3% (前年比)
10/13 15:00 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 0.6% 前回 0.6% (調和消費者物価指数(HICP)・前月比)
10/13 15:00 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 3.3% 前回 3.3% (調和消費者物価指数(HICP)・前年比)
10/13 未定 経常収支 (8月) 前回 212.0億ユーロ 
10/14 15:00 卸売物価指数 (9月) 前回 0.9% (前月比)
10/14 15:00 卸売物価指数 (9月) 前回 6.8% (前年比)

フランス
10/15 15:45 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 -0.3% 前回 -0.3% (前月比)
10/15 15:45 消費者物価指数(確報) (9月) 予想 3.0% 前回 3.0% (前年比)

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。