ドル円、200日線を一旦上回るも維持できず 米CPIは予想下回る=NY為替概況 きょうのNY為替市場、この日発表の米消費者物価指数(CPI)を受けて、序盤はドル高が強まり、ドル円も159円手前まで急上昇していた。インフレの長期化および早期利上げ観測が高まった。米国債利回りの急上昇とともにドル円も一気に買い戻しが強まった格好。短期金融市場でも10月の利上げ確率が発表前の20%程度から一時50%程度まで上昇していた。 しかし、動きは続かずに終盤にドルの戻り売りが強まり、ドル円も急速に下落する展開。159円手前から一気に158円台前半に下落。この日の米CPIを受けても、10月利上げについては可能性は低いとの見方も多く、上記の確率も33%程度まで低下。12月の利上げ期待は完全に織り込んでいるものの、10月は据え置きとの見方がなお主流。 ドル円は結局、200日線を一旦上回ったものの、維持できずに失速した格好となった。米国債利回りも急速に低下し、10年債は下げに転じていた。 ユーロドルは売りが強まり、一時1.11ドル台前半に下落。大きな節目の1.12ドルを下放れる展開を見せており、下値警戒感が高まっている。一方、ユーロ円も下落。一時176円台前半まで下落し、年初来安値付近に下落している。 投資家が織り込んでいるユーロ圏の急速な利上げ見通しは後退する可能性が高く、ユーロには一段の下押し圧力がかかりそうだとの指摘が出ている。ラガルドECB総裁は、イラン紛争に伴うインフレへの影響について、「慎重かつ段階的な対応」を検討していると述べていた。この発言は、政策金利を緩やかな引き締め水準まで引き上げる用意があると示唆してきた他のECB理事の見解とも一致している。 ECB自身の推計では、名目中立金利の上限は2.50%とされており、緩やかな引き締め水準は2.75%程度と考えられる。しかし、短期金融市場では、あと3回程度の利上げによって政策金利が3.25%に達するとの見方が織り込まれている。現在の原油価格やインフレ指標を踏まえると、これは実現可能性の低いリスクシナリオといえる。 ポンドドルも前半に売りが強まり、1.31ドル台半ばまで一時下落。これまで1.32ドルは強い下値抵抗として機能してきてが、本日はその水準を割り込んでおり、明日以降の動きが注目される。一方、ポンド円も208円台半ばに一時下落し、209.20円付近に来ている21日線を下回る動きが見られている。直近サポートされている207円付近を試しに行くか注目される展開。 本日は英中銀委員のピル・チーフエコノミストの発言が伝わっていたが、「市場が織り込むほど大幅な利上げは必要ない」との認識を示していた。追加利上げの必要性そのものを否定したわけではないものの、市場が想定している4回超の利上げは懐疑的だと述べていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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