プラチナは軟調、各国の国債利回り上昇や原油高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 プラチナの現物相場は10月、各国の国債利回りの上昇や原油高に加え、人工知能
(AI)業界の成長鈍化に対する懸念から株安に振れたことなどを受けて売り優勢とな
り、7月30日以来の安値1597ドルを付けた。米国の財政悪化懸念やインフレ懸念
を受けて米国債の利回りが上昇したことに加え、フランスの財政不安が高まると、世界
的な債券売りが広がった。人工知能(AI)業界の成長鈍化に対する懸念が強まると、
米国債が安全資産として買われ、国債利回り上昇が一服するとの期待が出たが、フラン
スのデモ暴徒化で財政悪化懸念が再燃すると、先行き警戒感が残った。一方、トランプ
米大統領は中間選挙前のイラン攻撃を否定したが、イエメンの親イラン武装組織フーシ
派がサウジアラビアを攻撃しており、中東情勢に対する懸念から原油高に振れた。イラ
ンがホルムズ海峡での船舶攻撃に新たな戦術を導入したことも原油高の要因となった。
ただ米大統領はロシアとディーゼル取引で合意し、ロシアに対する制裁措置適用を免除
することを発表した。原油高が止まるかどうかが当面の焦点だが、米大統領の免除発表
は同盟国に対する裏切りとみる向きもあり、今後の各国の対応を確認したい。
 9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.7%上昇と前月の3.4%上昇から
伸びが加速した。事前予想の3.6%上昇も上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利
上げ観測が高まった。ただ米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁が、10月の米
連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする必要はないとの考えを示したことなどを
受け、金利据え置きとの見方が強まった。CMEのフェドウォッチで、10月の米FO
MCでの金利据え置きの確率は82.8%(前月42.4%)となった。ただ12月の
利上げ確率は77.8%(同46.0%)に高まった。
【中国勢の安値拾いの買いは下支え要因】
 第3四半期の中国の国内総生産(GDP)は前年比4.5%増加し、第2四半期の
4.3%増加から加速した。1〜9月は4.6%増加となり、中国政府の目標である
4.5〜5.0%のレンジ下限を維持した。内需の弱さやデフレ圧力、不動産不況が経
済活動を抑えているが、政策スタンスを大きく変える必要はないとみられている。一
方、9月の鉱工業生産は同5.5%増加と2カ月連続で加速し、生産堅調が続いた。小
売売上高は同1.1%増加と低水準が続いた。プラチナ価格の下落を受けて上海プラチ
ナの出来高が564枚と国慶節明けの106枚から急増し、中国勢の安値拾いの買いが
入った。生産堅調で好調な鉱工業生産が続くと、プラチナの下支えになるとみられる。
【米国と南アのプラチナETFから投資資金が流出】
 プラチナETF(上場投信)残高は10月19日の米国で36.93トン(9月末
37.72トン)、16日の英国で10.01トン(同9.98トン)、南アで
4.14トン(同4.17トン)となった。軟調に推移するなか、米国と南アで投資資
金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、
10月13日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2973枚
(前週1万3968枚)に縮小し、7月28日以来の低水準となった。手じまい売り、
新規売りが出た。
(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)
*21日、Yahoo!ファイナンスに掲載された記事を再配信します。

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