先週の原油相場は、中東での物理的な被害の拡大を受けて、WTIが4日続伸と大きく上昇しました。上昇の背景には、サウジアラビアの中枢部への攻撃があります。フーシ派のミサイルがリヤド国際空港に着弾し、10月13日夜にはダーランのアラムコ本社も被弾しました。タワー棟の約3フロアが損傷したものの、生産施設への被害は避けられています。ホルムズ海峡でも「GFS Pride」と「Cape Dao」が攻撃を受けて沈没し、10月に入って被弾した船舶は約24隻に達しました。海峡の原油通過量は日量1,050万バレルと戦前の1,710万バレルから約38%減少し、ロシアのノバク副首相は日量600万~700万バレルが遮断されていると述べています。週後半には、米国の在庫が大きく減りました。EIA(米エネルギー情報局)の週間統計では、商業原油在庫が856万~860万バレル減少しました(予想は小幅な増加)。ハリケーンによる生産停止、輸入の減少、製油所稼働率93.5%が要因で、WTIが大きく買われたことから、ブレントとの価格差は週初の13ドル台から8ドル前後まで縮まりました。一方、IEA(国際エネルギー機関)が3月に合意した備蓄放出のうち、未放出の1億バレル(ディーゼル2,000万バレルを含む)の投入を加速させると伝わり、10月16日のアジア時間にはWTIが97.41ドル、ブレントが105.52ドルまで一時下落する場面もありました。IEAの月報では、2026年の世界の石油需要が日量260万バレル減へ下方修正されましたが、ディーゼルの供給不足は2027年まで続くとの見通しで、ディーゼル先物は4.5%上昇しています。輸送面では、VLCC(大型原油タンカー)の運賃が世界平均で日額80.5万ドルと過去最高になり、中東から東アジア向けは日額約100万ドルです。OPEC+の閣僚は、運賃と戦争保険料が貨物価値の3分の1を超えたと声明を出しました。

出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート
今週も、中東の被害の広がりによる上昇圧力と、IEAの備蓄放出や株安による需要懸念という下落圧力が綱引きを続ける見込みです。最大の注目点は、中東の動向です。イランは11月3日の米中間選挙後の攻撃再開を警戒し、周辺国の石油インフラへの報復を示唆しています。フーシ派が中国製部品で長距離弾道ミサイルを量産しているとの報告もあり、サウジの施設への攻撃リスクは続きます。ホルムズ海峡での船舶被害が続けば、地政学プレミアムは一段と厚くなりそうです。ゴールドマン・サックスは、現在1バレル20ドル以上のプレミアムが乗っていると見ており、12月ブレントの予想を85ドルから90ドルへ引き上げています。下げ方向の材料は、IEAによる備蓄放出の進み具合です。株式市場にも注意が必要で、AI関連株の急落で世界的なリスクオフが広がりました。この動きが続けば、景気への不安から原油需要の見通しが弱まる可能性があります。このほか、EIA週間在庫や、ロシア産ディーゼルの購入合意をめぐる米議会の動きも材料になります。

出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート
今週も、中東の被害の広がりによる上昇圧力と、IEAの備蓄放出や株安による需要懸念という下落圧力が綱引きを続ける見込みです。最大の注目点は、中東の動向です。イランは11月3日の米中間選挙後の攻撃再開を警戒し、周辺国の石油インフラへの報復を示唆しています。フーシ派が中国製部品で長距離弾道ミサイルを量産しているとの報告もあり、サウジの施設への攻撃リスクは続きます。ホルムズ海峡での船舶被害が続けば、地政学プレミアムは一段と厚くなりそうです。ゴールドマン・サックスは、現在1バレル20ドル以上のプレミアムが乗っていると見ており、12月ブレントの予想を85ドルから90ドルへ引き上げています。下げ方向の材料は、IEAによる備蓄放出の進み具合です。株式市場にも注意が必要で、AI関連株の急落で世界的なリスクオフが広がりました。この動きが続けば、景気への不安から原油需要の見通しが弱まる可能性があります。このほか、EIA週間在庫や、ロシア産ディーゼルの購入合意をめぐる米議会の動きも材料になります。

