利上げ期待強まる中で米PCEデフレータに注目 10日の米消費者物価指数(CPI)、11日の米生産者物価指数(PPI)が共に市場予想を下回る弱い伸びとなり、米国の追加利上げ期待が大きく後退。30日物金利先物価格データから計算された政策金利見通しを示すCMEのFedWatchツールにおける6月13日、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策見通しは、据え置きが一時99%超えと、ほぼ完全に据え置きを織り込むところまで進みました。 その後ミシガン大学消費者調査で長期のインフレ見通しが2011年以来の水準まで上昇したことをきっかけに、追加利上げ期待が再燃すると、米小売売上高の好結果などもあって、利上げ期待が20%をしっかり超える水準まで回復してきています。 そうした中、26日に4月の米個人消費支出(PCE)デフレータが発表されます。CPIと同系統の指標で、発表が2週間ほど遅いということもあって、CPIに比べて市場の注目度が低い同指標ですが、インフレターゲットの対象ということもあり、金融政策動向への注目が集まっている局面では、注目が高まる傾向があります。 前回3月のPCEデフレータは前年比+4.2%と2月の+5.0%から大きく鈍化し、2021年5月以来の低水準となりました。コアデフレータは前年比+4.6%と2022年12月以来の低水準となっています。市場予想は+4.1%と+4.5%となっていたため、予想には届かなかったものの、鈍化を見せたというかたちです。 4月のPCEデフレータがもう一段の鈍化を見せるようだと、利上げ期待が後退する可能性があります。 4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%と3月から0.1ポイントの鈍化、食品とエネルギーを除いたコア前年比が+5.5%とこちらも3月から0.1ポイントの鈍化となりました。 内訳を確認すると、ガソリンスタンド売上が前年比-12.2%と大きな鈍化となりましたが、前月比でみると+3.0%と伸びていることもあり、3月の-17.4%から鈍化率が大きく縮んでおり、全体の鈍化を鈍らせました。食料品は前年比+7.7%と3月の+8.5%から鈍化。食料品の鈍化は8カ月連続となりました。 昨年9月と10月の前年比+42.9%をピークとして、昨年2月から10%以上の大幅上昇を続けてきた航空運賃が3月の+17.7%から-0.9%に鈍化したことも、全体の伸び鈍化につながりました。航空運賃が前年比マイナスになるのは2021年11月以来です。 その他目立ったところでは、住居費が前年比+8.1%と3月の+8.2%からわずかながら鈍化しました。住居費の鈍化は2021年2月以来2年2か月ぶりです。 依然厳しい分野もあり、衣料部門は4カ月連続での上昇、昨年8月から二けた上昇が続く自動車保険は前年比15.5%と2021年5月以来の高水準です。 こうした状況を踏まえ、4月のPCEデフレータの予想は前年比+4.3%と3月の+4.2%から小幅ながら伸びが強まるという見込み。コアデフレータの予想は前年比+4.6%と3月と同水準となっています。 CPI同様に予想を下回る伸びとなった場合はドル売りが期待されます。一方、市場予想を上回る伸びを見せた場合は再燃しつつある6月の利上げ期待がさらに高まり、ドル高が進むと見られます。今月に入って雇用統計や小売売上高など物価以外の指標の強さが見られることから、予想を上回る伸びとなった場合のリスクが大きそうで、ドル円は一気の上昇もありそうです。 MINKABU PRESS 山岡和雅
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。