6月に入って豪、カナダ、英国が市場予想を超える大幅利上げを実施。米国とECBは市場予想通りの利上げ幅となりましたが、金利見通しや会見などで積極姿勢を示しました。また、パウエル議長は米連邦議会での証言において年内2回の利上げの必要性を示唆しています。 こうした世界的な金融引き締め強化の流れが、緩和継続を示す日本や、追加緩和に向かう中国売り、その他ほとんどの通貨買いという流れにつながっています。 ドル円は直近高値を超えて2022年11月以来の143円台まで上昇。0.5%の利上げを実施したポンドは対円で2015年12月以来の高値圏、ユーロ円は2008年9月以来の高値圏での推移となっています。 こうした流れがどこまで続くのか。各国の物価統計などに注目が集まります。そうした中、30日に米個人消費支出(PCE)デフレータが発表されます。 13日に発表された同系統の指標である5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%と、4月の同+4.9%から大きく鈍化しました。食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+5.3%と、4月の同+5.5%からこちらも鈍化しています。ともに市場予想とは一致しました。 ガソリン価格が前年比-19.7%と大きく下落。4カ月連続で下落する中、下落率が最も大きくなりました。食料品は前年比+6.7%と、4月の同+7.7%から伸びが鈍化。伸びの鈍化は9カ月連続となります。こうした動きが総合指数の大きな鈍化につながりました。 その他項目を見ると、住居費が前年比+8.0%と小幅ながら2カ月連続で伸びが鈍化しました。また、確認できる限りこれまでマイナスが無かった医療サービスが4月の前年比+0.4%から同-0.1%と低下しています。 こうした状況を受けて今回の米PCEデフレータは前年比+3.8%と4月の同+4.4%から大きく鈍化見込みです。ただ、コア指数に関しては前年比+4.7%と4月と同水準見込みとなっています。 ガソリンの低下や食品の伸び鈍化はPCEにも影響が強く出ます。コア部分に関してはCPIよりも全体に占める割合(ウェイト)が大きい医療サービスのマイナスが響いてくる可能性がありますが、一方で伸びが鈍化した住宅部門のウェイトがCPIよりも小さい影響が出てくる可能性があります。 予想に反してコア部分の伸びが4月を超えてくるようだと、年内複数回利上げの期待がもう一段強まりドル高となる可能性があります。 MINKABU PRESS 山岡和雅
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