IMFは本日、最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、今年の世界経済の成長見通しを4月時点の2.8%から3.0%に上方修正した。債務上限問題で米国がデフォルト(債務不履行)を回避し、銀行危機を食い止めたことから、ここ数カ月でリスクは和らいでいるとの見方を示した。来年については従来の3.0%を維持した。 IMFは世界経済についてやや楽観的になっているものの、パンデミック以前の20年間の平均成長3.8%と比較すると成長は弱いと見ており、成長に対するリスクバランスは依然として下向きだとの見解を示している。 金利上昇はインフレ抑制につながりつつあるが、経済活動の重しとなるとした上で、ウクライナ侵攻の激化や気象災害のような追加の衝撃は一段の金融引き締めをもたらし得ると分析した。 IMFは、金融引き締め政策が功を奏したとしても、ほとんどの国で優先されるのは持続的なディスインフレの達成に変わりはないとし、中央銀行は物価安定の回復と金融監督・リスク監視の強化に集中すべきだと付け加えた。 日本は4月時点の1.3%から1.4%に上方修正。24年については1.0%を予想している。米国は従来の1.6%から1.8%に上方修正し、24年には1.0%に減速。中国は5.2%の前回予測を据え置いたものの、不動産業界の軟調が投資に打撃を与えているほか、外需低迷と若年層の失業率上昇もあり、回復は鈍化していると警告した。
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