NY時間の終盤に入ってドル円は141円台まで上げ幅を拡大している。きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが活発化し、本日の日銀決定会合による下げを完全に解消している。本日は一時138円台前半まで急落していた。 日銀はイールドカーブコントロール(YCC)にサプライズの微調整を加えた。発表直後は日銀の意図がわかりにくかったことから、市場は乱高下していたが、これまで厳格に死守してきた上下0.5%の10年債利回りの変動幅については目途としては残すものの、運用を柔軟化し、上下1.0%の水準を厳格に死守する方針に変更した。0.5%から1.0%の間は機動的なオペで対応するとしている。日銀は、緩和解除のイメージをあまり市場に広めたくなかったのかもしれない。 市場では今回のYCC微調整の影響について意見が分かれている。今回の微調整は最終的にYCC政策からの脱却に向けた初期段階で円高に有利といった意見の一方、日銀がすぐに利上げに踏み切る準備ができていないことを意味するといった声も出ている。 いずれにしろ、為替市場ではドル高期待も根強くある中で、ドル円が130円に向かって一辺倒に下げて行くシナリオを描くのは時期尚早かもしれない。 ユーロドルはNY時間にかけて買い戻しが優勢となり、1.10ドル台を回復。きょうはドル高が一服し、ユーロドルも買い戻しが膨らんだ。ただ、1.1050ドル付近に21日線が来ており、いまのところは上値を抑えられている。 今週はFOMC、ECB理事会と重要イベントを通過した。両中銀はともに今後の金利決定はデータ次第のスタンスを強調していたが、その場合、短期的にはユーロよりもドルに有利に働くとの見方も出ている。 今週発表の米GDP速報値は2.4%と予想を上回り、米経済の底堅さが示されている。これとは対照的に最近のユーロ圏のPMIでは企業の経済活動が非常に弱くなっていることが示されており、景気後退のリスクが顕著に示されている。ここ数日の米国とユーロ圏のデータを見る限りでは、リスク・リワードはドルの方がかなり魅力的に見えるという。 ポンドドルは一時1.28ドル台後半まで買い戻された。ただ、本日の21日線は1.2880ドル近辺に来ているが、その水準には慎重なようだ。 来週は8月3日に英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されており、ポンドにとっては最重要イベントとなる。市場では先日の英消費者物価指数(CPI)や、今週のECB理事会の決定まどから、英中銀は当初見込まれていた大幅利上げを見送り、0.25%ポイントの通常利上げに留めるとの見方が有力になりつつある。エコノミストも、大幅利上げは否定していないが、その可能性は低いとの考えが主流になっているようだ。 その場合、市場の雰囲気次第では、ポンドドルは1.26ドルを目指す動きも想定されるという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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