●論点解説原油、中東危機はクライマックスに向かう＝マーケットエッジ

　中東情勢の緊迫化を手掛かりに、原油相場は安値修正を進めた。イスラエルのネタニ
エフ首相はガザ地区に対して地上軍投入を行う準備を進めていることを明らかにしてい
る。イランは、こうした行動に強く警告を発しているだけに、実際に地上軍が投入され
た際に何が起きるのか分からない状況にあることが警戒されている。
　一方、米エネルギー情報局（ＥＩＡ）発表の原油在庫は前週比１３７万バレル増とな
った。製油所稼働率が前週の８６．１％から８５．６％まで低下している。これは今季
最低である。製油所メンテナンスの季節要因の影響も大きいが、同時に末端ガソリン需
要が抑制されていることも影響している模様だ。現状では、米国などの需要環境悪化は
中国などの需要拡大で相殺されているというのが基本評価になるが、漠然とした需要不
安が原油相場の上昇余地を限定する構図が維持されている。
（マーケットエッジ・小菅 努）

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