<金> NY金12月限は10月27日に2019.7ドルまで値位置を切り上げたが、その 後は続落に転じており、今月1日に1978.2ドルと10月25日以来の水準まで軟 化。終値ベースでも1987.50ドルと10月24日以来の水準を付けている。 米公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標は事前予想通りに5.25〜5. 50%での据え置きが全会一致で決定されたが、パウエル連邦準備制度理事会(FR B)議長は今後の追加利上げの可能性を否定しなかったものの、利上げ終了の可能性を 示した。米国では、これまでの追加利上げの影響で利払い支出が拡大し、米財政を圧迫 する要因になっている。 今回、利上げ終了の可能性が示されたのは、米経済指標においてインフレ緩和傾向が 示されていることに加え、この財政悪化に対する警戒感が背景にあると見られる。 また、パレスチナ情勢に関しても武力衝突の激化を受けて警戒感が強まっていること も、有事の金としての需要を意識させる要因となり、金市場における金価格下支え要因 になると見られる。 NY金12月限に大きな上げ余地が残されているかは、不透明感が強い。米国の9月 消費者物価指数(CPI)総合は前年同月比で+3.7%となり、前月と変わらなかっ たうえ、事前予想をわずかに上回っていたことが明らかになっているからだ。9月のエ ネルギーと食料を除いたコアCPIは下げ渋りの状態にあり、依然としてインフレが警戒 される状態にあるからだ。 また、米雇用情勢にもタイト感が残り、強気な雇用情勢を背景とした賃金の上昇が消 費意欲を刺激しているうえ、新築住宅販売は住宅ローンの上昇にもかかわらず好調とな っている。 利上げの打ち止めと利下げ観測が浮上すると同時にパレスチナ情勢に対する警戒感が 強まっていることは金市場にとって強い下支え要因になる。NY金12月限は急伸後の 玉整理から若干値を落とすことが想定されるが、ファンダメンタル面に下支えられるこ とになりそうだ ただ、1960ドル台まで値を落とすと急伸後の修正が一気に進む可能性がある点に は注意をしておきたい。 <銀> NY銀12月限は2300セントを前後する足取りが続いている。NY金の底固い足取 りや米追加利上げ打ち止め観測の浮上、好調な米経済を受けた需要拡大の可能性など、 銀市場をめぐる強気材料が散見されるが、同時にドル買いの動きが重しになっている。 強弱材料に挟まれるなか、引き続き2300セント前後で推移しそうだ。 <白金> NY白金1月限は10月31日の取引で951.80ドルと9月22日以来の水準ま で浮上したものの、その後は反落に転じている。10月30日から31日にかけての上 昇で目先の買いが一巡した可能性を示す動きとなっている。 白金は今年度の供給不足が見込まれながらも、金との連動制から上値を抑制される足 取りが続いていた。10月30日にはおよそ1か月にわたって上値抵抗線となっていた 920ドルを上抜いたが、これにより売り方の踏み上げが誘発された可能性がある。 独自要因よりも金との連動制が意識されていることもあって方向性に乏しく、引き続 き940ドルを前後する取引になるのではないか。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は10月半ば以降、1150ドルを上値抵抗線とする安もみ が続いている。白金の上昇に対する反応も鈍く低迷が続いているところに上値の重さが うかがわれる。 独自の要因に乏しいうえ、他貴金属の足取りに対する反応の乏しさから、引き続き低 迷すると予想される。 MINKABU PRESS
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