<金> NY金2月限は4日から12日にかけて急落となる1991.2ドルと1990ドル 割れに近い水準まで値を落としていたが、その後、急反発に転じて2050ドル台を回 復している。 米国の金融政策見通しがNY金市場の現在の主題となっているが、4日から12日に かけての下落は過去最高値を更新し上値警戒感が高まるなかで発表された雇用統計が強 気な内容だったことが手掛かりとなり、急伸後の反動もあって急落に転じた。 ただ、その後、12〜13日にかけて開催された公開市場委員会(FOMC)がハト 派の姿勢を示し、利下げ着手観測が高まったことで急速に買い戻されている。 今回のFOMCでフェデラルファンドの誘導目標レートは据え置かれたが、今後の利 上げの可能性については、「もしあったとすれば」との見方が示されたうえ、パウエル 議長自身も現在は利上げサイクルのピークまたはその近辺に達している、との見解を明 らかにした。 さらに利下げ着手についての話し合いが行われたことも明らかにされており、市場が 予想していた以上にハト派の内容となっている。 CMEのFedウォッチによると、利下げ着手を見込む比率は次回となる来年1月が 16.5%、3月が63.4%となっている。5月FOMC時点まで据え置きを見込ん でいる比率は3.1%にとどまっており、来年上半期には利下げに着手するとの見通し がすでに織り込まれた状態にある。 高金利環境の長期化は、米国の財政に加え景気見通しも悪化させるだけに、安全な投 資先としての金需要が刺激されている。SPDRの金ETF残高は、金価格の高騰に伴 い利益確定のための売りが入ったと見られるが、12日に875.65トンまで縮小し た後は877トン台を回復するなど、底堅さを見せている。 米国の11月消費者物価指数(CPI)総合の前年同月比は前月の+3.2%から +3.1%に低下しインフレ緩和を示しているとはいえ、FRBが目標とする2%は依 然として上回っている。また、急激な金融緩和が米経済に与える悪影響も警戒されるた め、今後、金融緩和措置が取られるとしても経済指標の内容を吟味しながら時間をかけ て行われる可能性がある。 既に利下げ観測を織り込んでいることでNY金市場は底意の強い足取りを維持すると 見られるが、材料に織り込み感が強まっていると見受けられる点や過去最高値を更新し た直後ということもあり、ここからの上げ余地は限られそうで2050ドル前後での高 もみになると予想される。 <銀> NY銀3月限は4日から13日にかけて7日続落となって2278.5セントまで値 を落とした後に大幅反発に転じ、14日には2450セント前後まで浮上している。 米公開市場委員会(FOMC)後に利下げ観測が強まったことでNY金が反発しなが らも銀は軟調で運ばれていた反動高と見られる。 NY金の高もみが見込まれるため、銀3月限も2400セントを下値支持線にしての 底意の強い足取りとなりそうだ。 <白金> NY白金1月限は7日には890ドルまで値を落とした後に上値追いに転じながらも 940ドルを上値抵抗線として意識した足取りとなっていたが、14日にはこれをあっ さりと上抜き、一時は9月5日以来の水準となる971.3ドルまで浮上。終値ベース でも966.4ドルを記録する大幅高となっている。 米高金利政策がなかで上値を抑制されてきたが、NY金が再び地合いを引き締めたこ とをきっかけに買い戻されている。長期に渡って頭重い足取りを強いられた後だけに 目先は堅調な足取りを継続すると見られ、980ドル台達成の可能性も高まっている。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は14日に高騰しそれまでの1000ドル以下での安もみ圏か ら一気に1110ドル台まで値位置を切り上げ152.2ドルの上げ幅を記録。 NY銀、NY白金とこれまで上値を抑制されていた他貴金属と同様に、反動高場面を 迎えているが、他貴金属とは異なりNYパラジウムは独歩安で運ばれてきたため上げ幅 も急激なものになっている。勢い付いているだけに11月の急落時の直前に推移してい た1150ドル前後までの戻りが想定される。 MINKABU PRESS
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