石油週間見通し=戻り高値を抜けるか、中東の地政学的リスク浮上にも注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油は13日の新月にシナリオ通り底入れ。2月限の
目先の上値メドは半値戻し(73.83ドル水準)、61.8%戻し(75.20ドル
水準)などになるとした。

【NY原油は61.8%戻しでいったん反落もすぐに戻り高値を上抜けるか】
 ニューヨーク原油2月限は上弦だった20日に75.37ドルの戻り高値を付けた
後、いったん反落して21日には72.44ドルの安値まで下落した。しかしその日の
うちに73ドル台後半まで戻した。本稿執筆時の22日午後時点には74ドル台半ばま
でさらに戻しており、すでに下落幅のかなりを取り戻している。
 前回の当欄で指摘した上値メドの61.8%戻し(75.20ドル水準)達成後に反
落したものの、38.2%戻し(72.45ドル水準)で支持されすぐに反発する形と
なっている。このまま直近高値の75.37ドルを上抜けると、78.6%戻しの
77.17ドル、全値戻しの79.67ドルまで上値余地が拡大する。日柄的には27
日が満月となっており、その辺りで天井を付けるシナリオが考えられるが、クリスマス
休暇を挟んでいることや日数が短いため、目先の天井を付ける時間帯は来年まで間延び
する可能性もありそうだ。

 材料的には、直近は中東の紅海でイエメンの武装組織フーシ派による航行する船舶へ
の攻撃が相次いでいることが、地政学的リスク要因として支援材料となっている。ただ
原油の供給面に限って見ると、中東産原油の輸出の大半がホルムズ海峡経由で運航され
ているためこれが直接供給難懸念を引き起こすことはなさそうだ。
 またアンゴラが石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を表明したことがニュースに
なっている。OPECプラスが推進する協調減産に対する反発が原因とされている。そ
の意味では第2の脱退候補としてナイジェリアが挙げられるが、連鎖の動きに波及する
のか注意したい。また逆にブラジルはOPECプラスに正式加盟ではないが、オブザー
バー参加を目指すことを表明しており、2024年の進展に注目したい。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3万7000ドル台の過去最高値水
準でのもみ合いが続いている。まだ天井感は出ていない。
 ドルインデックスはさらに底割れ模様となり、101ポイント前半〜中盤で推移して
いる。
 原油相場にとってはともに引き続き追い風と言える形。

【2023年のロシア産原油輸出、侵攻前の2021年比7%増】
 タス通信によると、ロシアのベロウソフ第一副首相が21日、中国やインドの輸入激
増により、2023年のロシアの原油輸出量が約2億5000万トンとなり、同国のウ
クライナ侵攻以前の2021年水準を約7%上回るとの見通しを明らかにした。
 同国のウクライナ侵攻に対する制裁として行ってきた欧米の同国産エネルギー産品の
締め出し政策はほとんど機能していないことになる。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油先限は戻り基調も6万5000円の節目が上値抵抗となる形で、21日移動
平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(6万4460円辺り)を挟んだもみ合い
となっている。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばい。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油2月限は20日に75.37ドルの高値を付けたあと反落。21日
に72.44ドルの安値を付けものの、引けでは73.89ドル台まで戻して、ボリン
ジャーバンドの中心線(73.33ドル辺り)を上回った。



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