プラチナ週間展望=堅調、米FRBの利下げ期待が支援

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [12月25日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2024 年 10 月限  12 月 18 日〜 12 月 22 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金           9,301     9,467 (20)    9,224 (18)      9,378          +93
  銀           110.5     114.3 (22)    110.5 (20)      114.3         +3.8
 プラチナ       4,335     4,412 (21)    4,255 (18)      4,370          +41
 パラジウム     5,000     5,600 (20)    5,000 (18)      5,500        +800
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        21  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 2) 2,051.3     +15.6   | ドル・円    142.36      0.47 円安
  銀       ( 3) 2,458.5     +43.1   | 日経平均  33,169.05       +198.50
 プラチナ   ( 1)   970.3     +17.7   | NY原油 ( 2)  73.89         +2.11
 パラジウム ( 3) 1,228.20    +25.80  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 21日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが支援要因、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待やドル安を受けて堅調となっ
た。現物相場は9月1日以来の高値971.12ドルを付けた。プラチナ先限は11月
29日以来の高値4412円を付けた。一方、パラジウムの現物相場はドル安や株高を
受けて買い戻され、10月2日以来の高値1242.08ドルを付けた。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)で当局者が利下げ予想を示したことを受けて利下
げ期待が強い。米金融当局者の早期利下げをけん制する発言が目立ったが、米国債の買
い意欲が強く、10年債利回りは3.83%と7月24日以来の低水準となった。ニュ
ーヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、金融当局の関心事はインフレ率を2%に下げるた
めに十分に金融政策が景気抑制的かどうかであり、金利を3月にも引き下げることを考
え始めるのは早過ぎると述べた。一方、第3四半期の米国内総生産(GDP)確報値は
年率換算で前期比4.9%増と、改定値の5.2%増から下方改定された。伸び率は
2021年第4四半期以来の高水準だが、事前予想の5.2%を下回った。コア個人消
費支出(PCE)価格は2.3%上昇から2.0%上昇に下方改定された。CMEのフ
ェドウォッチでは、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率が
70.6%(前週64.7%)となった。また来年末の政策金利は3.75〜4.00
%(現在5.25〜5.00%)と6回の利下げを織り込んだ。米FOMCで当局者は
来年3回の利下げを予想しており、市場の見方と大きくかい離している。今後発表され
る経済指標と金融政策の見通しを確認したい。
 欧州市場でも債券買いが継続し、イタリア10年債利回りが3.55%と1年3カ月
超ぶりの低水準を付けた。ドイツ10年債利回りは一時1.94%と9カ月ぶりの低水
準となった。11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値は前年比2.4%上
昇と前月の2.9%から伸びが鈍化した。ただコアインフレは3.6%と高水準で推移
しており、欧州中央銀行(ECB)は高金利を維持するとみられている。ECBのデギ
ンドス副総裁は、利下げについて語るのは時期尚早との認識を示した。一方、欧州自動
車工業協会(ACEA)によると、11月の欧州連合(EU26)の新車(乗用車)登
録台数は前年同月比6.7%増の88万5581台となった。1〜11月は前年同期比
15.7%増の968万1752台となった。自動車販売の回復が続いていることはプ
ラチナ、パラジウムの支援要因である。
【ロンドンのプラチナETF残高が減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、20日のロンドンで11.31トン
(前週末12.29トン)に減少、21日のニューヨークで31.04トン(同
31.04トン)、20日の南アで11.89トン(同11.89トン)と変わらずと
なった。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.60トン(同3.59ト
ン)に増加、ニューヨークで6.00トン(同6.00トン)、南アで0.36トン
(同0.36トン)と変わらずとなった。ロンドンのプラチナETF残高が減少した。
戻り場面で手じまい売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細
報告によると、12月12日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは
7709枚(前週5133枚)に拡大、パラジウムの売り越しは1万0638枚(同
1万1252枚)に縮小した。
【中国勢の買い意欲が強い】
 上海プラチナの出来高は19日に2枚に減少したが、21日に1206枚に急増し、
中国勢は高値での買いを継続した。中国の景気刺激策に対する失望感が出ているが、欧
米の利下げ期待などを受けて買い意欲が強い。高値での買いが続くと、1000ドルの
節目を試す可能性が出てくる。ただ当面は欧米のクリスマス休暇や年末年始を控えてお
り、模様眺めの動きとなりそうだ。
当面の予定(イベント・経済統計)
25日 ●豪州、香港、欧米、南ア(クリスマス)
    景気動向指数 2023年10月改定状況(内閣府)
    貴金属取引 2023年12月限納会(大阪取引所)
26日 ●豪州、香港、欧州、南ア、カナダ
    貴金属取引 2024年12月限発会(大阪取引所)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2023年10月(S&P)
27日 中国工業利益 2023年11月(国家統計局)
28日 鉱工業生産指数 2023年11月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2023年11月速報(経済産業省)
    米卸売在庫 2023年11月速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2023年11月(全米不動産協会)
29日 シカゴ購買部協会景気指数 2022年12月(シカゴ購買部協会)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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