<金> NY金2月限は2050ドルを前後する足取りが続いている。12月開催の米連邦公 開市場委員会(FOMC)以降、来年の利下げ着手見通しが強まっていることが下支え 要因ながら、12月4日に2152.3ドルと過去最高値まで上昇した後で高値警戒感 が強まっていることが上値抑制要因になっている。 12月のFOMCで連邦準備理事会(FRB)の姿勢がハト派に転換した様子が示さ れて以降、来年の利下げ期待が大幅に高まっている。CMEのFedウォッチによると 利下げを見込んでいる比率は1月FOMCが14.5%、3月FOMCの場合は82% に達しており、来年早々の利下げ着手は市場に既に織り込まれた状態にある。 ただ、米経済指標自体は強弱入り混じる状態であるうえ、11月消費者物価指数 (CPI)総合の前年同月比の伸び率は前月に記録した+3.2%から+3.1%に低 下したに過ぎない。前年同月比の伸び率が3%まで縮小した今年6月以降、3%台での 推移が続いておりここからの低下に時間を要している。 実際、11月CPIでも主に賃金から構成されるスーパーコア部門は前月に記録した 10月に記録した+0.2%から0.4%に上昇しており、賃金の上昇がインフレ率を 下支えしている様子が示されている。 米国の求人件数は減少傾向を維持するなど、米雇用情勢が次第に緩和に向かっている 様子も示されているため、今後は賃金の上昇率と同時にインフレ圧力が弱まってくると 想定されるが、その時期は市場が利下げの時期として想定している来年初頭ではない可 能性に留意しておきたい。 パウエルFRB議長は現在の金利がピークもしくはピークに近い水準と語っているこ とは直ちに利下げに着手するということではなく、市場もそれは承知の上でその先を読 んで利下げ着手を織り込んでいると見られる。 それだけに金価格は利下げ着手期待に引き続き下支えられて2050ドル前後という 値位置を維持すると見られるが、既に利下げ着手が織り込まれている状況から、実際に 利下げ着手の可能性が高まると材料織り込みから下離れる可能性もある点に注意してお きたい。 <銀> NY銀3月限はNY金の堅調な値動きに追随する買いが入り、2400セント台後半 での推移が続いている。 米利下げ着手の可能性はドル安傾向を強めるうえ、金の堅調な足取りを支持するため 銀市場においても買い支援要因。また、米利下げにより製造業の活動が活発化すれば工 業用としての銀需要の増加も期待される。金との連動性もあり、引き続き2400セン ト台後半での高下が続くなか、2500セントに近づく可能性も出てきている。 <白金> NY白金1月限は14日に大きく値を伸ばして960ドルを上抜いた後は、960ド ルを下値支持線にしての高下が続いている。 米利下げ観測とこれに伴うドル売りの動きや金の高止まりが買い支援要因となってい る。独自の要因には乏しい状況が続いているため、目先はもちあいが想定されるが、 980ドルを突破出来れば1000ドルに向かう公算が高まる。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は13日まで1000ドルを下回る水準で低迷していたが、 14日以降に急伸し1200ドル台に達している。他貴金属が大きく上昇するなかで独 歩安となっていた反動高場面を迎えている。 ただ、1200ドル台に達した後は伸び悩みに転じており、上げ一巡の様相を呈して いる。金も膠着状態となっているだけにここから先の上昇には抵抗があると見られる。 目先は1200ドルを下値支持線として意識するなかでのもちあいとなりそう。 MINKABU PRESS
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