【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は上弦だった20日に61.8%戻し (75.20ドル水準)達成後に反落したものの、38.2%戻し(72.45ドル水 準)で支持されすぐに反発する形。日柄的には27日が満月となっており、その辺りで 天井を付けるシナリオが考えられるが、クリスマス休暇を挟んでいることや日数が短い ため、目先の天井を付ける時間帯は来年まで間延びする可能性もありそうだとした。 【NY原油は目先は下値余地を探る展開】 ニューヨーク原油2月限は、ひとまず前回の当欄で指摘した満月の一日前の26日の 76.18ドルで目先の天井を付けた形となっている。結局的には来年まで間延びしな かった(あくまで短期的に見て)。本稿執筆時の29日午後時点には71ドル台後半ま で突っ込んだ後72ドル台前半で推移している。 日足で見ると、前回の当欄で指摘した78.6%戻しの77.17ドルに届かずに反 落した形だが、4時間足の直近のスウィングで見ると、74.98ドルから73.14 ドルの下げ幅の1.618倍戻し(76.11ドル水準)を達成後に反落するきれいな 形となっている。 目先の下値メドだが、61.8%押しの71.11ドル水準がまず重要な支持線とな る。それを下回ると、70ドルの節目、78.6%押しの69.73ドル、全値押しの 67.98ドルと続く。仮に拡大波に発展した場合は1.618倍押しの62.91ド ルまである。 日柄的には1月4日が下弦、11日が新月なので、仮に前者の前後に押し目底を入れ れば、拡大波には発展せず(つもり67.98ドルを割り込まず)に今回の上昇の高値 である76.18ドルを上抜いて行くような第3波に発展する可能性が高くなる。 逆に後者まで下落相場が続くようであれば、年明け早々60ドル台にいる時間帯が長 くなる可能性もある。ただその水準では米国が戦略石油備蓄(SPR)の買い付けを加 速させそうなため、弱気に見過ぎるのも禁物だろう。 材料的には、前回の当欄で指摘した紅海でのイエメンの武装組織フーシ派による航行 妨害については、多国籍部隊が護衛するなか海運大手が紅海やスエズ運河での航行を再 開したことが報じられて地政学的リスクからの懸念材料が一つ後退した。 ただ相変わらずイスラエルのガザ攻撃は続くなか、イランとの間の緊張が高まってい る。イラン革命防衛隊の上級軍事顧問がイスラエルの攻撃で殺害されたことでイランの 憎悪が高まっており、イラン側からは、「イスラエルがイラン本土に攻撃すれば、テル アビブは地図から消える」と核兵器使用を匂わせるような恫喝も聞かれる。 また28日には米英独仏の4カ国が、イランによる高濃縮ウランの生産加速を非難す る共同声明を発表した。 有力な産油国であるイランまで大規模な戦火が広がれば、地政学リスクのみならず原 油の供給懸念から原油相場が一気に噴き上げる可能性もあり、年明けから今春にかけて 最も注目すべき材料となるかもしれない。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3万7000ドル台後半まで過去最 高値水準を更新して、引き続きまだ天井感は出ていない。 ドルインデックスはさらに底割れ模様となり、101ポイント台を割り込んだ。 原油相場にとってはともに引き続き追い風と言える。 【2023年のロシアのエネルギー収益9兆ルーブルで2021年と同水準=副首相】 前回の当欄では、ロシアのベロウソフ第一副首相談として、2023年のロシアの原 油輸出量が約2億5000万トンとなり、同国のウクライナ侵攻以前の2021年水準 を約7%上回るとの見通しであることを明らかにした。 それに関連して、同国のノバク副首相(エネルギー担当)は27日、2023年の同 国の石油および天然ガスの収益が9兆ルーブル(約14兆円)とウクライナ侵攻前の2 021年と同水準になる見込みを明らかにした。 侵攻前までは原油および石油製品の輸出の40〜45%を占めていた欧州向けが5% 程度まで急減しているものの、それまでほとんどなかったインド向けが40%まで急増 して、これに取って変わる形となっている。中国向けは45〜50%で高水準で安定し ている。 【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】 東京原油先限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(6万367 0円辺り)を挟んだもみ合いとなっているが、直近はそれを割り込んでいる。 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばい。 【NY原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油2月限は26日に76.18ドルの高値を付けたあと反落。ほぼ7 5ドル水準にあるボリンジャーバンドの1シグマ(75.03ドル辺り)が上値抵抗と なった。すでにボリンジャーバンドの中心線(72.79ドル辺り)も大きく割り込ん でいる。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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