金・銀午前=金は反落、NY安を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【場況】
 金は反落。金はニューヨーク安を受けて売り優勢で始まった。その後は、ドル建て現
物相場の小じっかりや円安が下支えになった。銀は当限が上昇した。
 午前11時1分現在の前営業日比は、金標準が63〜58円安、金ミニが82.0〜
57.5円安、ゴールドスポットが44円安、銀が3.7円高。
 午前11時1分現在の出来高は、金が3万5563枚、金ミニが6689枚、ゴール
ドスポットが9911枚、銀が12枚。
【NY金は米CPIが目先の焦点】
 金は米国債の利回り上昇などが圧迫要因になった。昨年12月の消費者物価指数(C
PI)は前月比で速報値0.3%上昇から0.2%上昇に下方改定された。米国債の利
回りが低下する場面も見られたが、3月の金利据え置き見通しから利回りは上昇した。
ニューヨーク連銀が発表した1月の消費者調査によると、1年先と5年先のインフレ期
待はそれぞれ3%、2.5%で横ばいとなった。一方、3年先のインフレ期待は2.4
%で、昨年12月の2.6%から低下し、2020年3月以来の低水準となった。今夜
は1月の米CPIの発表がある。事前予想が前年比2.9%上昇と前月の3.4%上昇
から伸びが鈍化する見通し。
 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は、ECBが
利下げに踏み切る時が「刻一刻と近づいている」と述べ、適切なタイミングで段階的に
実施すれば金融市場や経済への影響を軽減できるとの認識を示した。スペイン銀行(中
銀)のデコス総裁は、ECBが3月に発表するインフレと経済成長に関する新たな見通
しは、利下げの開始時期を決定する上で極めて重要だとの見方を示した。一方、ボウマ
ン米連邦準備理事会(FRB)理事は、「FRBのインフレ対策には多くのリスクが残
されており、いつ、どれだけ利下げを行うかを予想するのは時期尚早」との認識を示し
た。
 イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファから民間人
を退避させると同時に同地域に残っているイスラム組織ハマスの戦闘部隊を壊滅させる
計画を策定するよう軍に指示したと明らかにした。イスラエル軍は12日、パレスチナ
自治区ガザ最南部ラファで特別部隊による作戦を実施し、人質2人を救出した。救出作
戦と同時に空爆を実施した。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官
は12日、イスラエル軍とハマスの戦闘が続くパレスチナ地区ガザにおける人道的な休
戦を「引き続き支持する」とし、戦闘休止に向け取り組むようイスラエルに呼びかけ
た。
 金先限は夜間取引で9669円まで下落した。ニューヨーク安が圧迫要因になった。
円相場は1ドル=149円台前半で円安に振れた。
【ドル建て現物相場】
 金のドル建て現物相場は、小じっかり。きのうの海外市場では、米国債の利回り上昇
などを受けて売り優勢となった。アジア市場では、朝方の2019.05ドルから、押
し目を買われ、2020ドル台まで上昇したが、ドル安一服に上値を抑えられた。
 午前11時現在、2020.24ドルで推移。銀は2271セントで推移。前営業日
の大引け時点は金が2032.50ドル、銀が2261セント。

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