CFTC大口投機資金動向(3/5時点):金・原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における3月5
日時点の大口投機家の売り越しは312万3356枚となり、前週の272万3382
枚から拡大した。取組高合計は4321万1045枚となり、前週から81万9520
枚(1.9%)減少した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.8%増、債券
合計が3.9%減、為替合計が5.2%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
1.6%増、エネルギー合計は0.3%減、金属合計は8.7%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売
りを上回って売り越しを縮小、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大し
た。為替は新規買いが新規売りを上回って買い越し(ドル売り)に転じた。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げ見通しを示し
た。また欧州中央銀行(ECB)はインフレ見通しを下方修正し、欧米の利下げ期待が
高まった。一方、2月の米雇用統計は弱気の内容となったが、非農業部門雇用者数が予
想以上となり、米FRBは利下げを急がないとの見方が強い。今週は2月の米消費者物
価指数(CPI)や米小売売上高の発表がある。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が11万8843枚売り越し(前週13万
2705枚売り越し)、ユーロは6万6311枚買い越し(同6万2854枚買い越
し)、英ポンドは5万8385枚買い越し(同4万6358枚買い越し)となった。ユ
ーロは買い戻しが手じまい売りを上回って買い越しを拡大した。

 商品市場では、原油は米製品在庫の減少が支援要因になったが、供給過剰に対する懸
念を受けて上げ一服となった。貴金属市場では、金が欧米の利下げ期待を受けて急伸
し、史上最高値2194.01ドルを付けた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が23万8512枚買い越し(前
週22万4790枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ
ーヨーク金は19万1293枚買い越し(同14万1636枚買い越し)に拡大、ニュ
ーヨーク・プラチナは4364枚売り越し(同3601枚買い越し)に転じた。金は新
規買い、買い戻しが入り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが23万0887枚売り越し(前週23万
2604枚売り越し)に縮小、大豆は19万7241枚売り越し(同19万1232枚
売り越し)に拡大した。コーンは買い戻しが手じまい売りを上回り、大豆は新規売りが
新規買いを上回った。前週のコーンは、米農務省(USDA)の需給報告の発表を控え
て買い戻された。同報告では、全項目が据え置かれた。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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