【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における3月 26日時点の大口投機家の売り越しは230万6061枚となり、前週の228万 2212枚から拡大した。取組高合計は4319万9244となり、前週から60万 0015枚(1.4%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.9%増、債券 合計が2.5%減、為替合計が0.4%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.8%増、エネルギー合計は0.6%増、金属合計は1.8%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを 上回って売り越しを縮小、債券で買い戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮小し た。為替は手じまい売り、新規売りが出て売り越し(ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて米国債の利回りが低下 した。2月の米個人消費支出(PCE)デフレータは前年比2.5%上昇し、市場予想 と一致した。前月は2.4%上昇。パウエル米FRB議長は、米PCEデフレータは 「私たちの期待に沿った」内容だったとの見解を示した。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が12万9106枚売り越し(前週11万 6012枚売り越し)、ユーロは3万1194枚買い越し(同4万8342枚買い越 し)、英ポンドは3万5170枚買い越し(同5万3200枚買い越し)となった。ユ ーロは手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油は米エネルギー省が戦略石油備蓄(SPR)補充のために原油を 購入すると発表したことを受けて押し目を買われた。貴金属市場では、金が米国債の利 回り低下を受けて踏み上げで一段高となり、史上最高値2233.48ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が27万8027枚買い越し(前 週27万7757枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ ーク金は19万9294枚買い越し(同20万1602枚買い越し)に縮小、ニューヨ ーク・プラチナは7195枚買い越し(同6280枚買い越し)に拡大した。金は手じ まい売りが買い戻しを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが17万8021枚売り越し(前週17万 5513枚売り越し)に拡大、大豆は15万3714枚売り越し(同16万7653枚 売り越し)に縮小した。コーンは手じまい売り、新規売り、大豆は新規買い、買い戻し が入った。前週のコーンは、需給緩和観測を受けて戻りを売られたが、予想以下の作付 意向面積、四半期在庫を受けて急反発した。 MINKABU PRESS 東海林勇行
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。