【前週までのレビュー】 直近の急落も一段落し、取組高が再び増加傾向にあることから、戻りを試す展開を予 想した。330円付近の抵抗線突破に失敗すれば、売りが徐々に優勢になるとみた。 【やや買い優勢】 JPXゴムRSS3号の活発限月の9月限は、中国市場が休場ということもあり、手 掛り材料難の中、もみ合いとなっている、3月26日に313.2円まで下落後、戻り を試した。だが、330円前後では戻りが鈍くなる一方、下値は320円前後が支持と なっている。現状、320〜330円前後でのレンジ相場となっており、新規材料待ち の様相を呈している。ただ、来週からは、中国勢が市場に戻ってくることから、商いは 活発になりそうだ。方向性としては、中国の景気回復期待が高まっていることから、買 いがやや優勢になりやすいとみる。また、中東情勢の緊張から原油価格が上昇してお り、合成ゴムの価格が上昇しやすいことも、天然ゴムを売りにくくしているとみる。 【産地相場は再度上昇か】 タイの現物価格は、小じっかりと推移している。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港 のソンクラ渡しのオファー価格は3月19日に98.49バーツ(約409.72円) まで上昇したが、その後は地合いを緩め、3月27日に91.05バーツ(約400. 48円)が提示された。だが、同水準では買い意欲が強く、4月4日時点では、93バ ーツ台で推移している。現状、91バーツ台が支持線となっている。現在、ウィンタリ ング(落葉期=減産期)に入っているが、相場はウィンタリングをほぼ織り込んでいる とみる。今後、中国の景気回復期待などから、再度、オファー価格が引き上げられるな ら、天然ゴム相場は地合いを引き締めそうだ。 【上海ゴムは反発開始か】 上海ゴムは4月4−5日が清明節のため休場だったこともあり、小動きとなった。中 心限月の9月限は、3月19日に1万5820元まで上昇し、一代の高値を更新した。 だが、同水準で切り返されると、同日は陰線引けとなり、3月22日には節目の1万5 000元を下抜くと、3月28日には1万4315元まで下落し、3月14日からの急 伸を帳消しにした。4月に入ると、1万4300〜1万4585元で小動きとなってい る。目先、中国の景気回復期待が高まっていることもあり、しっかりとした展開となろ う。 【中国の景況感が改善】 3月31日に中国国家統計局から発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI)は、50.8となり、市場予想の49.9を超えただけでなく、景況感の分 かれ目とされる50.0を半年ぶりに上回った。新規輸出受注が1年ぶりに拡大に転じ た。雇用は低下したものの、低下のペースは減速した。また、同時に発表されたサービ ス業PMIも、前月の51.4から53.0に上昇した。市場では、中国の景気回復期 待が高まっており、銅や銀などの産業用素材が地合いを引き締めている。天然ゴム相場 にとって支援材料となる。 【東京ゴム活発限月の9月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の9月限は、もみ合いとなっている。3月に入ってからの 値動きをみると、3月7日までは300円前後で小動きとなった。だが、3月8日に大 陽線を付けて、313円台まで上昇。その後は産地相場のスパイラル的な上昇となり、 青天井の様相を呈すると、連日、一代の高値を更新し、3月18日に360.0円台ま で水準を引き上げた。だが、同水準で上値が重くなると、一転して売りが先行し、3月 26日には313.2円まで急落した。その後、戻り歩調となり、4月1日に332. 6円まで上昇した。ただ、330円超では戻り売り圧力が強く、その後323〜330 円前後でのレンジ相場となっている。 再度、地合いを引き締めた場合は、330円台を終値ベースでしっかり回復できるか に注目したい。これに成功すれば、1日の戻り高値332.3円や節目の340円を意 識した展開になる。 一方、売りが先行すれば、節目の320円前後が支持になる。同水準を割り込むと、 3月26日の安値313.2円を目指すとみる。 【今週の注目ポイント】 JPXゴムRSS3号は、産地相場に注目したい。ウィンタリングは相場に織り込ま れており、ここから産地相場が一段高となるには、供給の制約や需要増などの材料が必 要になってくる。中国の景気回復期待が高まっているだけに、オファー価格を引き上げ てくるか注視したい。 【相場予想レンジ】 4月8〜12日のJPXゴムRSS3号9月限の中心レンジ予想は310〜340 円。テクニカルの支持線は313.2円(3月26日安値)、抵抗線は335.0円 (節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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