【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月2 日時点の大口投機家の売り越しは223万1667枚となり、前週の230万6061 枚から縮小した。取組高合計は4354万7139枚となり、前週から34万7895 枚(0.8%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.7%減、債券 合計が0.4%増、為替合計が5.7%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.9%増、エネルギー合計は1.3%増、金属合計は1.5%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って売り越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大し た。為替は新規売りが新規買いを上回って売り越し(ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けてドル安に振れたが、米 雇用統計の発表を控えてドル安が一服した。3月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数 は前月比30万3000人増加し、事前予想の20万人増を大幅に上回った。今週は3 月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が14万3230枚売り越し(前週12万 9106枚売り越し)、ユーロは1万6794枚買い越し(同3万1194枚買い越 し)、英ポンドは4万3414枚買い越し(同3万5170枚買い越し)となった。ユ ーロは新規売りが新規買いを上回って買い越しを縮小した。 商品市場では、原油は地政学的リスクの高まりを受けて買い優勢となり、昨年10月 以来の高値87.63ドルを付けた。貴金属市場では、金がドル安や地政学的リスクの 高まりを受けて買い優勢となり、史上最高値2329.87ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が30万0897枚買い越し(前 週27万8027枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー ク金は20万7250枚買い越し(同19万9294枚買い越し)、ニューヨーク・プ ラチナは8589枚買い越し(同7195枚買い越し)に拡大した。金、プラチナとも に新規買いが新規売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが18万1336枚売り越し(前週17万 8021枚売り越し)、大豆は15万8040枚売り越し(同15万3714枚売り越 し)に拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規売 りが出た。前週のコーンは、小麦安に上値を抑えられたが、週間純輸出成約高の底堅さ などが下支えになった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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