【前週までのレビュー】天候不順が意識されており、押し目は拾われるとみた。 【堅調地合い】 JPXゴムRSS3号の活発限月の11月限は、5月30日に353.4円まで上昇 し、一代の高値を更新した。その後、調整安となり6月4日に328.2円まで下落し たが、再度、地合いを引き締めると、7日には上海ゴムの急騰を手掛かりに351.9 円まで上昇した。産地の天候不順もあり、堅調地合いが続きそうだ。ただ、上海ゴムの 急騰に目立った材料が見当たらない。上海ゴムは、投機色の強い市場のため、仕掛けに よる急騰の可能性がある。手仕舞い売りから急落する可能性についても、考えておいた 方がいいだろう。 【産地相場は戻り一服】 タイ現物価格の戻りが一服となっている。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソン クラ渡しのオファー価格は、季節要因から生産が増加するとの見方から、5月8日に3 月8日以来の低水準となる83.54バーツが提示された。その後、東南アジアで高温 が続いていることや、日本の気象庁などが、エルニーニョが終息し、秋にラニーニャが 発生するとの予報を出すと、供給減少不安などから6月4日に90.51バーツまで上 昇した。ただ、その後は90バーツ前後となっている。現時点では、天候要因から需給 に大きな影響はみられない。産地価格の戻りがいっぱいになるようなら、目先、売り圧 力が強まるので注意したい。 【上海ゴムは上値模索か】 上海ゴムは上値追いの展開となっている。中心限月の9月限は、5月30日に窓を開 けて始めると、1万5830元まで急騰した。だが翌31日には、1万5270元まで 下落すると、4日には1万4850元まで水準を引き下げた。チャート的は、3月19 日の高値1万5820元と5月30日の高値1万5830元でダブルトップが形成され つつあった。だが、5日から急反発をみせ、7日に1万5985元まで急騰し、一代の 高値を更新した。目先、上値を模索する展開となりそうだ。ただ、上海ゴムが急騰する ような材料は見当たらないため、上値の重さがみられると、手仕舞い売りから急落する 可能性はあるとみる。 【東京ゴム活発限月の11月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の11月限は、上値を試す展開となった。5月に入ってか ら値動きをみると、上旬は300〜310円前後での取引となった。中旬に入ると、産 地価格が再び地合いを引き締めたことを受けて、買いが先行し、320円、330円と 次々と節目を突破し、28日に340円も上抜いた。30日に上海ゴムの大幅高を受け て353.4円まで急騰し、一代の高値を更新した。その後は、直近の急騰に対する修 正安となり、6月4日には一時328.2円まで軟化した。だが、5日以降、上海高な どを手掛かりに地合いを引き締めると、7日に351.9円まで上昇した。 買いが先行した場合だが、5月30日に付けた一代の高値353.4円を試すことに なる。一代の高値を更新すれば、節目の355.0円や360.0円を意識した展開に なる。一方、売りが先行すれば、節目の340円付近が支持になる。同水準を割り込む と、4日の安値328.2円が意識される。 【今週の注目ポイント】 JPXゴムRSS3号は、上海ゴムに注目したい。中心限月の9月限は、7日の取引 で一代の高値を更新した。目先、上値追いの展開となれば、JPXゴムRSS3号も買 いが先行することになる。 【相場予想レンジ】 6月10〜14日のJPXゴムRSS3号の期中11月限の中心レンジ予想は330 〜360円。テクニカルの支持線は340.8円(一目均衡表の転換線)、抵抗線は 355.0円(節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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