貴金属4品週間見通し=金は利下げ着手期待後退で頭重いが下げ余地は乏しい

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金8月限は6月7日に値を崩した後は2300ドル割れに抵抗を見せた後に浮上
した。5月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが事前予想よりも鈍化したことを受け
て、ディスインフレ期待が高まると同時に利下げ着手期待が高まったことが価格を引き
上げる要因となった。ただ、サービス部門においては、高い伸び率を維持しているこ
とも明らかになっている。
 米国では強気な雇用情勢が続いていることが米労働省の発表によって明らかになって
いる。賃金上昇率も前年比で4%台を記録している。賃金の上昇は、物価の上昇を吸収
する要因になるだけに、実際に利下げが実施されるためには、雇用情勢の軟化を待つ必
要がある。
 11、12日に開催された米公開市場委員会(FOMC)では金利の据え置きが決定
されると、同時に年内の利下げ回数の見通しの引き下げも行われた。米連邦準備理事会
(FRB)としてもインフレ率の押し上げの根拠となりかねない雇用情勢および賃金上
昇率の落ち着きを確かめなければ利下げ着手に向かうのは難しいと見られる。
 NY金はこ利下げ着手を先取りする形で値位置を切り上げてきたが、その修正を余儀
なくされている状況。高金利環境の長期化は米財政悪化懸念を強めると同時にドル高維
持を促すことから、金は安全な投資先としての需要が向けられると予想される。上向く
可能性は限られながらも底意は強く、NY金8月限は2300ドルを下値支持線にして
の底固い動きが見込まれる。
<銀>
 NY銀7月限は戻しては売られる足取りが続き、頭の重さを感じさせる動きとなって
いる。米国ではサービス部門が主体になってのインフレの下げ渋りが続くと予想されて
いるため、高インフレが懸念されながらも工業用としての銀需要を期待するには手掛か
りが乏しい状態となっている。
 NY金の頭重い足取りが想定されることもあり、3000セントを上値抵抗線にして
のもみあいが続きそう。
<白金>
 NY白金7月限は5月29日以降は下値を探る足取りを展開。新規のファンダメンタ
ルズに関する材料待ちだが、年内2回の米利下げ期待が後退するなかドル高傾向となっ
ていることが弱材料となっている。
 今年は供給不足は既に織り込み済みで白金の新たな需給にかかわる新規材料に欠ける
だけにドル高傾向が重しになっての売り圧力が強い展開が見込まれる。目先は5日移動
平均線が通る966ドル台を超えることができるかに注目したい。
<パラジウム>
 NYパラジウム9月限は6月10日の取引で900ドルを割り込んだ後は頭重い足取
りが続いている。独自の新規材料が見当たらないなか、ドル高が手掛かりになっての低
迷となっているため、引き続き900ドル前後でのもちあいと想定される。
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