貴金属4品週間見通し=金は利下げ着手期待で底堅い、米雇用統計に要注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金8月限は6月24日以降は2350ドルを上値抵抗線とする膠着となっていた
が、3日に抵抗線を突破し2374.5ドルと6月21日以来の水準まで急伸した。
 大幅高の背景は5月の米製造業新規受注が−0.5%と事前予想の+0. 3%を大
幅に下回り、6月のISM非製造業景況指数は48.8と事前予想の52.5を下回っ
たばかりか、事前予想の50以下まで下落したことで、米景気不安が高まり安全資産と
しての金需要に対する意識と、利下げ着手気期待の高まりだ。
 これらの経済指標の発表前にパウエル連邦準備理事会(FRB)議長がポルトガルで
開催された欧州中央銀行(ECB)主催の会合でディスインフレ発言を行った後だった
ことが、利下げ着手期待を後押ししたと見られる。
 実際に利下げ着手に向けて踏み出すには、米雇用情勢の軟化が必要だ。5月の米消費
者物価指数(CPI)では、総合CPIの前年同月比が事前予想を下回りながらも賃金
上昇率の前年同月比は4.1%を記録しているからだ。FRBは2%のインフレ率を目
標としているが、その達成のためには雇用の緩和が重要な要因で、雇用情勢が軟化すれ
ば賃金上昇率が低下しインフレ率に下方への圧力が高まることが想定されると同時に金
には押し上げ圧力がかかってくることになるだろう。
 目先は高まる利下げ着手期待が下支え要因になると予想されるものの、休場明けに発
表される米雇用統計の内容が強気であれば3日の上昇も相殺されかねない。
 2370ドル台の維持のためには米雇用統計が需給緩和を示す内容であることが必要
であり、実際の発表後の市場の反応が注目される。

<銀>
 NY銀9月限は3000セントを上値抵抗線にしてのもちあいが続いていたが、3日
の取引で大きく上昇し6月21日以来の高値となる3097.5セントまで浮上。この
日は終値ベースでも3080セントを記録している。
 この銀の急伸は金の上昇に追随した動きであり、銀市場においても米国の金融政策に
対する思惑が主要要因になっている状況に変わりはない。安全資産としての役割が薄い
ことが銀市場の重石となるなか金に比べると上げ足は抑制されそうで、目先は6月21
日の高値3122.5セントが上値目標になると見られながらもこれを上抜いて大きく
上昇する可能性は低いと見られる。
<白金>
 NY白金10月限は1000ドルを下値支持線にしての高下が続いている。ただ、そ
の一方では1030ドル前後に達すると値位置を落とす動きを繰り返しているため、目
先は1030ドルが上値抵抗線として意識されると見られる。
 独自の新規要因に乏しいなか、NY金との連動性や1000ドル割れに対する抵抗か
らもちあいが続くと予想される。
<パラジウム>
 NYパラジウム9月限は6月27日以降は続伸となっており、3日には4月12日以
来の高水準となる1068ドルに達するなど独自の足取りを演じている。6月18日に
かけて売り込まれ871ドルまで値を落とした後の反動高と見られ、この動きで白金と
の値開きも一気に縮小している。
 下落後の修正を終えた形と見られるだけに、1000ドルを下値支持線にし白金との
値開きを意識しながらの高下が見込まれる。
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