【NY金は目先の上げ一巡感が強まるも上昇基調を継続か】 NY金8月限は7月3日から5日にかけ値位置を切り上げ、5日に6月7日以来とな る2400ドル台に到達。今週に入り、急伸後の修正の動きから2358.3ドルに下 落する場面が見られたが、9日以降は地合いを引き締めて2380ドル台まで戻した。 チャートは目先の買い一巡感が強まっているうえ、パウエル米連邦準備理事会(FR B)議長は議会証言でインフレ率はFRBが目標とする2%を依然として上回っている との認識を示した。NY金8月限は2400ドルが抵抗線として意識される足取りが続 く可能性がある。 7月に入ってから発表されている米経済指標及び雇用統計は、米雇用情勢の軟化やデ ィスインフレ傾向、高金利環境の長期化が米経済にネガティヴな影響を与えていること を示唆する内容となり、NY金市場の上昇基調が後退したわけではない。 6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比20万6000人増と事前予想通り の内容ではあったものの、失業率は2021年11月以来の高水準となる4.1%へ上 昇するなど雇用情勢の若干の悪化が示されたうえ、賃金上昇率の前年同月比も前月の 4.1%から3.9%に低下しており、賃金の上昇圧力が緩和が示された。 6月のISM非製造業景気指数は4年ぶりの低水準にとどまり高金利環境の影響が窺 われると同時に、サービス業の需要低下が示されたうえ、雇用も5カ月連続して縮小し 46.1まで落ち込んでいる。 雇用情勢の緩和は賃金を押し上げる力を弱めることが連想されると同時に、物価の上 昇に対応するに十分な賃金が得られないことで個人消費意欲が鈍化すると見られ、結果 的に物価の上昇圧力が後退に繋がると予想される。 パウエル議長が必要としているのは継続的な米雇用情勢の軟化とこの軟化を受けて物 価上昇圧力が後退していることを示す経済指標であり、その状況を確認するためには毎 月の経済指標の発表を待つ必要があるだろう。それだけに、やはりFRBとしては早期 の利下げ着手には慎重な姿勢を取らざるを得ず、この数カ月は雇用情勢、高金利環境が 製造業や住宅需要に与えている影響、そして物価上昇率の推移を見守る姿勢を堅持しそ うだ。 とはいえ、雇用情勢の軟化、高金利環境が製造業に与えているネガティブな影響、賃 金上昇率の鈍化など、将来的にディスインフレに繋がる可能性が高まっている様子を示 す経済指標が目立つ状況は今後もディスインフレ傾向が続く可能性が高いことを示して いると見られ、これを手掛かりにしてNY金市場では再び2400ドル台を目指す足取 りとなる可能性が見込まれる。 最も注目されるのは11日に発表される米6月消費者物価指数で、今回の発表でサー ビス部門を含めてディスインフレ傾向が高まっている様子が示されるようであればNY 金の上昇基調は一気に強まることになりそうだ。 MINKABU PRESS
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