石油週間見通し=底入れで38.2%戻し達成、イランの報復攻撃に注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油9月限は78.6%押し(74.66ドル辺り)
を達成した後に戻したものの、そのあと78ドル台から76ドル台まで再び軟化してい
る。営業日ではないが4日が新月のため、底入れの時間帯には入っているとは思うが、
目先はダブルボトムを取りに行くのか否かに注目したいとした。

【NY原油はさらに戻すか】
 ニューヨーク原油9月限は結局、さらに底割れして新月の翌日の5日に71.67ド
ルの安値を付けた後V字型の切り返しとなっている。これは6月4日の安値72.23
ドルから7月5日の高値83.58ドルまでの上げ幅に対する全値押し(72.23ド
ル辺り)を達成後の反発で、71.67ドルで底入れした可能性が高まっている。その
あと8日には76.52ドルまで上昇し、本稿執筆時の9日の午後時点には76ドル台
前半で推移している。
 現状は7月5日の高値83.58ドルから8月5日の安値71.67ドルまでの下げ
幅に対する38.2%戻し(76.22ドル辺り)を達成したところだが、強い相場で
あれば、このまま半値戻し(77.63ドル辺り)、61.8%戻し(79.03ドル
辺り)が上値目標となる。

 材料的には、イスラエル対ヒズボラ、対ハマス、そして対イランの対立が深まるな
か、とくにイランのイスラエルに対する報復攻撃が注目されている。イランに自制を求
める各国の声も大きく、とくにロシアが自制を求めていることがどう影響するのか注視
したい。
 7日にはイスラム協力機構(OIC)がイランの求めに応じてサウジアラビアのジッ
ダで緊急外相会議を開催して、そこでイランは報復攻撃への支持を訴えた模様だが、参
加国は慎重な立場を示した。ただ8日にイランが軍事演習を開始したとの報道もあり、
緊張感を持って見守りたい。

 なお反発前の下落相場の時は、米中の需要減退懸念が再燃していたが、直近は米株が
再び戻していることで、ひとまず小康状態となっている。
 ただ、後述するように、世界最大の原油輸入国である中国の原油需要は明らかにスロ
ーダウンしており、これが今後上値抑制要因となりそうだ。すなわち中東有事で噴き上
げても一時的な急伸で終わる可能性が高いだろう。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は安値から切り返しており、まだ高値
圏でのもみ合いの動きと言えるが、7月に付けた4万ドル台でのダブルトップを見る
と、下振れリスクは以前より増加してきたとみたい。
 ドルインデックスは月初の急激なドル安は一服したが、それでも現状103ポイント
近辺と、7月下旬の104ポイント台前半と比べると、依然としてかなりドル安水準と
なっている。

【7月の中国の原油輸入、2022年9月以来の低水準】
 7日に発表された中国の7月の貿易収支を見ると、同月の原油輸入は日量997万バ
レルと、前年同月比3%減となり、単月ベースでは2022年9月以来の低水準となっ
た。また今年1〜7月の輸入累計でも同1089万バレルと、前年同期比2.4%減と
なっていた。
 石油輸出国機構(OPEC)の7月の月報では、中国の今年の原油需要の伸びを同
76万バレル、来年を同41万バレルとされており、これには楽観的過ぎるとの見方が
多く、今後修正される可能性が高い。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である1月限は、5日の大陰線で7万円の節目を大きく割り込み、
6万5000円台も割り込んだ。しかし6日に6万3130円の安値を付けた後は戻し
ており、9日にはボリンジャーバンドの−1シグマ(6万8440円辺り)を試した。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいで推移。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油9月限は下降中のボリンジャーバンドの−2シグマ(72.19ド
ル辺り)に沿った下落が続いていたが、5日の安値71.67ドルを付けた後、7日の
大陽線で、−1シグマ(75.02ドル辺り)を突破。底入れした可能性が高まって
いる。


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