プラチナ週間展望=堅調、米利下げ見通しや株高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [8月19日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  6 月限  8 月 13 日〜 8 月 16 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,488    11,824 (16)   11,442 (13)     11,790         +327
  銀           132.1     134.0 (16)    132.0 (16)      134.0         +7.9
 プラチナ       4,437     4,593 (16)    4,339 (15)      4,563         +138
 パラジウム     4,400     4,400 (13)    4,400 (13)      4,400            0
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        15  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12) 2,492.4     +19.0   | ドル・円    148.94      1.84 円安
  銀       ( 9) 2,841.8     +83.0   | 日経平均  38,062.67      +3037.67
 プラチナ   (10)   965.1     +35.2   | NY原油 ( 9)  78.16         +1.32
 パラジウム ( 9)   936.90    +40.50  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 15日
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【前週のレビュー】
 プラチナはリスク回避の動きが圧迫要因になったが、米新規失業保険申請件数の減少
で安心感が戻ったことで下げ一服、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測の後退に上値を抑えられた
が、堅調な米小売売上高などを受けて景気減速懸念が後退したことや株高を受けて押し
目を買われた。現物相場は2日以来の高値963.11ドルを付けた。プラチナ先限は
円安も支援要因となり、5日以来の高値4593円を付けた。一方、パラジウムの現物
相場は7月18日以来の高値951.54ドルを付けた。
 7月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇と前月の0.2%上昇から
伸びが鈍化した。前年比も2.2%上昇と前月の2.7%上昇から伸びが鈍化した。モ
ノ(財)の価格上昇がサービス価格の低下で相殺されたことで伸びが鈍化した。また7
月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と前月の0.1%低下から反転
した。前年比では2.9%上昇と前月の3.0%から伸びが鈍化した。前年比上昇率は
2021年3月以来、初めて3%を下回った。7月の米小売売上高は前月比1.0%増
加した。市場予想の0.3%増を上回った。米新規失業保険申請件数は前週比7000
件減の22万7000件と市場予想の23万5000件を予想外に下回り、2週連続の
減少となった。堅調な米経済指標を受けて景気減速懸念が後退した。CMEのフェドウ
ォッチでは、米連邦準備理事会(FRB)の9月の25ベーシスポイント(bp)利下
げ確率は74.0%(前週45.0%)に上昇した。前週のリスク回避の動きを受けて
大幅利下げの見方も出たが、堅調な米経済指標を受けて大幅利下げ観測は後退した。パ
ウエル米FRB議長は23日、カンザスシティー連銀が主催する年次シンポジウム、ジ
ャクソンホール会合で講演を行う。
【ロンドンのプラチナ・パラジウムETF残高が減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、14日のロンドンで21.43トン
(前週末22.02トン)に減少、15日のニューヨークで31.77トン(同
31.77トン)、14日の南アで11.21トン(同11.21トン)と変わらずと
なった。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.26トン(同4.43ト
ン)に減少、ニューヨークで9.29トン(同9.29トン)、南アで0.33トン
(同0.33トン)と変わらずとなった。ロンドンのプラチナ・パラジウムETF残高
が減少した。戻り場面で投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFT
C)の建玉明細報告によると、8月6日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の
買い越しは1万0291枚(前週1万4314枚)に縮小、パラジウムの売り越しは
1万3244枚(同1万3091枚)に拡大した。
【中国の小売売上高は内需不振で低水準】
 7月の中国の小売売上高は前年比2.7%増と前月の2.0%増から拡大したが、低
水準にとどまった。市場予想は2.5%増。不動産不況を受けて内需不振が目立ち、景
気減速懸念が強い。また鉱工業生産指数は同5.1%増と前月の5.3%増から減速し
た。市場予想は5.2%増。新築住宅価格指数は前月比0.65%下落しており、中国
政府の下支え政策の効果は限定的となっている。上海プラチナの出来高は13日に24
枚まで減少しており、戻り場面での買いは見送られた。
当面の予定(イベント・経済統計)
19日 機械受注 2024年6月(内閣府)
    英住宅価格指数 2024年8月(ライトムーブ)
    米景気先行指数 2024年7月(カンファレンスボード)
20日 独生産者物価指数 2024年7月(連邦統計庁)
    ユーロ圏国際収支 2024年6月(ECB)
    ユーロ圏消費者物価指数 2024年7月確報(EUROSTAT)
21日 貿易収支 2024年7月速報(財務省)
    米FOMC議事録公表 7月30-31日(FRB)
22日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年8月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年8月速報(Markit)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米中古住宅販売統計 2024年7月(全米不動産協会)
23日 消費者物価指数 2024年7月(総務省)
    米新築住宅販売 2024年7月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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