【米コアCPI受け大幅利下げ観測後退も金は高値圏を維持か】 NY金12月限は9月に入り値を崩し、2500ドルに接近する場面が見られた。そ の度に押し目買いが入り2550ドル前後の値位置を維持し続けている。 米公開市場委員会(FOMC)が17〜18日に開催されるが、既に今回のFOMC での利下げ着手は織り込み済みとなっている。0.50%の大幅利下げを見込む声は根 強い。 依然として年内の大幅利下げを見込む向きが多い様子が示されているが、同時に懸念 されるのが大幅利下げが米経済に与える影響だ。 特に米雇用情勢の弱さを受けて米景気後退に対する懸念が高まっている。今月6日発 表の8月の米雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが事前予想の16.5万人増を下回 る14.2万人増にとどまっただけでなく、6月の雇用者数は6.1万人引き下げられ た11.8万人増、7月雇用統計は2.5万人下方修正とされた8.9万人増にとどま り、平常の20万人程度増を大幅に下回った。 一方で賃金上昇率の前月比が事前予想の+0.3%を上回る+0.4%を記録してお り、雇用の増加幅は鈍化しながらも雇用情勢事態には底堅さも感じられ、景気後退に対 する警戒感を和らげる内容となっている。 この雇用情勢の底堅さはサービス価格の下げ渋りを連想させるもので、米国のインフ レ率が連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%達成への見通し不透明感を同時に強 めている。 実際、8月米消費者物価指数(CPI)では、総合CPIの前年同月比が事前予想の +2.6%を下回る+2.5%にとどまったのに対し、変動が激しいエネルギーと食料 を除いたコアCPIの前年同月比は+3.2%を記録し依然として3%台を維持した。 これは賃金上昇率がコアサービス部門の伸びを支え、結果としてコア部門でのインフ レ率が下げ渋りに繋がっている様子を示すものとなる。 一方、米7月個人消費は前月比で+0.5%を記録しており、旺盛な消費が続いてい る様子が示されている。コアCPIの下げ渋りや賃金の上昇、そして底堅さを見せる個 人消費に加え、平常時に見込まれる20万人増にも届かないなど雇用の伸びに鈍化傾向 が強まりながらも8月の失業率は低下していることも考慮すると必ずしも深刻な景気後 退が懸念されるとは言えない状況にある。 そのため、9月の利下げ幅は大方の予想とは異なり0.25%にとどまる可能性が高 いと見られる。大幅利下げが実施されなかった場合、金利による差益を産まないうえ、 ドルに買い戻しが入る可能性が高まることから金市場にとっては上値抑制要因になり得 る。 ただ、米景気後退に対する懸念は根強いうえSPDRの金ETF残高は依然として増 加傾向を保っている。景気後退の可能性が安全資産としての金を求める動きを刺激して いる状況が続いていると見られ、引き続きNY金は2500ドルを下値支持線にしての 高下が続くことになりそうだ。 MINKABU PRESS
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