石油週間見通し=下値余地を探る展開、中東の波乱材料は顕在もチャート悪化

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油11月限は7月5日の高値81.75ドルから9
月10日の安値64.61ドルまでの下げ幅の38.2%戻しを達成。このまま反落す
るのか、さらに戻して半値戻しの73.18ドルを達成できるのかに注目としたいとし
て、それは目先数日間の値動きで判断できそうだとした。

【NY原油は61.8%押し達成】
 ニューヨーク原油11月限は結局、戻り高値は24日の72.40ドルまでで、半値
戻しの73.18ドルには到達できず大きく崩れる展開となった。70ドルの節目を大
きく割り込み、26日には66.95ドルの安値を付けた。本稿執筆時の27日午後に
は67ドル台前半で推移している。
 目先どこまで下値余地があるのかが注目されるが、既に9月10日の安値64.61
ドルから前述の戻り高値までの上げ幅の61.8%押しである67.59ドルを達成し
ており、次の下値目標は78.6%押しの66.28ドル、全値押しの64.61ドル
辺りとなる。また底割れした場合は1.618倍押しの59.80ドル辺りまで下値余
地が拡大する可能性があるが、それは底割れした場合に考えればいいだろう。
 また日柄的には、10月3日が新月のため、その辺りで底入れする可能性も考えてお
きたい。

 材料的には、直近の急落は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が石油輸出国機構
(OPEC)の盟主、サウジアラビアに関して、これまでの非公式な目標である100
ドルを放棄して、市場シェアを重視する方策に転換して、12月から予定通り自主減産
を縮小して増産に転じるとの見方を示したことが嫌気された。これに対して産油国側か
らの反応を見ると、後述するようにこれまでの方針である12月からの減産縮小に変更
はない見込み。
 またこのところ当欄で何度も懸念材料として挙げてきた中国の需要減退懸念だが、同
国が24日に不動産と株式市場をてこ入れするパンデミック以来最大の金融緩和策を打
ち出したものの、原油相場に限って見れば、それを囃して24日に戻り高値を付けたも
のの、その後は大きく崩れる展開となっており、同国の景気支援策は原油相場の支援材
料とはなっていない現状だ。

 一方、中東情勢は、イスラエルの強硬姿勢の強まりで、レバノンの親イラン武装組織
であるヒズボラと全面戦争に突入しそうな気配となっている。25日に米国とフランス
が21日間の即時停戦を提案したが、現時点では交渉中で具体的な進展はない。逆にイ
スラエルは26日、米国から87億ドルの軍事支援を確保したことを明らかにしてお
り、実質的に米国の停戦提案はポーズに過ぎない印象だ。
 ともあれ、イスラエルを中心とした中東地域の地政学リスクの常態化で、原油相場は
あまり反応しなくなっており、大きく動かすには、イランがイスラエルと交戦して石油
施設が攻撃を受けたり、ホルムズ海峡閉鎖の危機が強まるなど、実際に供給懸念が浮上
するような事態となる必要がありそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万2000ドル台に乗せて引き続
き過去最高値圏にある。
 ドルインデックスは、25日に再び100ポイント台を割り込んだものの、その後は
再び100ポイント台半ばまで戻している。

【OPECプラスの12月からの減産縮小予定に変更なし】
 OPECプラスは、12月から自主減産幅を日量18万バレル縮小(つまり増産)す
る予定を発表しているが、この方針に変更はない見込み。10月2日に閣僚級会合が予
定されているが、そこでもこの方針は維持されるとみられている。
 サウジと並ぶOPECプラスの雄であるロシアのノバク副首相も26日、ロイター通
信に対して、12月から減産の段階的縮小を開始するOPECプラスの計画に変更はな
いと述べている。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である2月限は26日の大陰線で再び21日移動平均線でもあるボ
リンジャーバンドの中心線(6万2950円)を割り込んだ。目先は−1シグマ(6万
0710円辺り)を維持できるか否かに注目。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油11月限はボリンジャーバンドの1シグマ(72.98ドル辺り)
に届かずに反落して、2営業日連続で大陰線引け。直近は−1シグマ(67.25ドル
辺り)を試す。


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