石油週間展望=下値余地を探る展開、中東の波乱材料は顕在もチャートが悪化

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [9月30日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
         週間高低(カッコ内は日付)     9 月 24 日〜 9 月 27 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   81,000    81,000(24)    81,000(24)   81,000        ±0
灯  油  先限   81,000    81,000(24)    81,000(24)   81,000        ±0
原  油 2月限   63,150    64,930(25)    61,320(27)   62,500       -360
======================================
                                        9 月 23 日〜 9 月 26 日
<海外原油> 週間4本値 始 値  高  値      安 値     終値   前週末比
  NY原油 11 月限     71.31    72.40(24)    66.95(26)  67.67    -3.33
ブレント原油 12 月限     73.94    75.12(24)    70.25(26)  71.09    -2.60
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
27日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 146.18 前週末比 4.10円の円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週のレビュー】ニューヨーク原油11月限は7月5日の高値81.75ドルから9
月10日の安値64.61ドルまでの下げ幅の38.2%戻しを達成。このまま反落す
るのか、さらに戻して半値戻しの73.18ドルを達成できるのかに注目としたいとし
て、それは目先数日間の値動きで判断できそうだとした。

【NY原油は61.8%押し達成】
 ニューヨーク原油11月限は結局、戻り高値は24日の72.40ドルまでで、半値
戻しの73.18ドルには到達できず大きく崩れる展開となった。70ドルの節目を大
きく割り込み、26日には66.95ドルの安値を付けた。本稿執筆時の27日午後に
は67ドル台前半で推移している。
 目先どこまで下値余地があるのかが注目されるが、既に9月10日の安値64.61
ドルから前述の戻り高値までの上げ幅の61.8%押しである67.59ドルを達成し
ており、次の下値目標は78.6%押しの66.28ドル、全値押しの64.61ドル
辺りとなる。また底割れした場合は1.618倍押しの59.80ドル辺りまで下値余
地が拡大する可能性があるが、それは底割れした場合に考えればいいだろう。
 また日柄的には、10月3日が新月のため、その辺りで底入れする可能性も考えてお
きたい。

 材料的には、直近の急落は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が石油輸出国機構
(OPEC)の盟主、サウジアラビアに関して、これまでの非公式な目標である100
ドルを放棄して、市場シェアを重視する方策に転換して、12月から予定通り自主減産
を縮小して増産に転じるとの見方を示したことが嫌気された。これに対して産油国側か
らの反応を見ると、後述するようにこれまでの方針である12月からの減産縮小に変更
はない見込み。
 またこのところ当欄で何度も懸念材料として挙げてきた中国の需要減退懸念だが、同
国が24日に不動産と株式市場をてこ入れするパンデミック以来最大の金融緩和策を打
ち出したものの、原油相場に限って見れば、それを囃して24日に戻り高値を付けたも
のの、その後は大きく崩れる展開となっており、同国の景気支援策は原油相場の支援材
料とはなっていない現状だ。

 一方、中東情勢は、イスラエルの強硬姿勢の強まりで、レバノンの親イラン武装組織
であるヒズボラと全面戦争に突入しそうな気配となっている。25日に米国とフランス
が21日間の即時停戦を提案したが、現時点では交渉中で具体的な進展はない。逆にイ
スラエルは26日、米国から87億ドルの軍事支援を確保したことを明らかにしてお
り、実質的に米国の停戦提案はポーズに過ぎない印象だ。
 ともあれ、イスラエルを中心とした中東地域の地政学リスクの常態化で、原油相場は
あまり反応しなくなっており、大きく動かすには、イランがイスラエルと交戦して石油
施設が攻撃を受けたり、ホルムズ海峡閉鎖の危機が強まるなど、実際に供給懸念が浮上
するような事態となる必要がありそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万2000ドル台に乗せて引き続
き過去最高値圏にある。
 ドルインデックスは、25日に再び100ポイント台を割り込んだものの、その後は
再び100ポイント台半ばまで戻している。

【OPECプラスの12月からの減産縮小予定に変更なし】
 OPECプラスは、12月から自主減産幅を日量18万バレル縮小(つまり増産)す
る予定を発表しているが、この方針に変更はない見込み。10月2日に閣僚級会合が予
定されているが、そこでもこの方針は維持されるとみられている。
 サウジと並ぶOPECプラスの雄であるロシアのノバク副首相も26日、ロイター通
信に対して、12月から減産の段階的縮小を開始するOPECプラスの計画に変更はな
いと述べている。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である2月限は26日の大陰線で再び21日移動平均線でもあるボ
リンジャーバンドの中心線(6万2950円)を割り込んだ。目先は−1シグマ(6万
0710円辺り)を維持できるか否かに注目。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油11月限はボリンジャーバンドの1シグマ(72.98ドル辺り)
に届かずに反落して、2営業日連続で大陰線引け。直近は−1シグマ(67.25ドル
辺り)を試す。

<当面の予定>
30日【経済】鉱工業生産指数 2024年8月速報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2024年8月速報(経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2024年7月(JAMA)
   【決済】プラッツドバイ原油 2024年9月限(東京商品)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2024年9月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2024年9月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2024年9月(財新)
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2024年9月(財新)
   【経済】独消費者物価指数 2024年9月速報(連邦統計庁)
   【経済】英国内総生産 確報値 2024年4-6月期(国立統計局)
   【経済】英マネーサプライ 2024年8月(BOE)
   【納会】英ブレント原油 2024年11月限(ICE EUROPE)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2024年9月(シカゴ購買部協会)
   【納会】米改質ガソリン・ヒーティングオイル  2024年10月限(NYMEX)

 1日【経済】労働力調査(失業率) 2024年8月(総務省)
   【経済】一般職業紹介状況(有効求人倍率) 2024年8月(厚生労働省)
   【経済】短観 概要及び要旨 9月調査(日本銀行)
   【経済】新車登録台数 2024年9月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2024年9月(全軽自協)
   【発会】プラッツドバイ原油 2025年12月限(東京商品)
   【休日】中国国慶節(7日まで)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年9月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2024年9月速報(EUROSTAT)
   【経済】米建設支出 2024年8月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2024年9月(ISM)
   【経済】米新車販売台数 2024年9月(Autodata)
   【工業】週間石油統計(API)
   【工業】週間石油統計(API)

 2日【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2024年8月(EUROSTAT)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2024年9月(ADP)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 3日【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年9月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2024年9月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏生産者物価指数 2024年8月(EUROSTAT)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米耐久財受注 2024年8月確報値(商務省)
   【経済】米製造業新規受注 2024年8月(商務省)
   【経済】米非製造業景況指数 2024年9月(ISM)

 4日【経済】仏鉱工業生産指数 2024年8月(INSEE)
   【経済】米雇用統計 2024年9月(労働省)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【商品】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。