NY金12月限は10月30日に2801.8ドルと指標限月の最高値を更新。その 後、2730ドル台まで下押されると買い戻され、下値は堅く推移。一方、2760ド ルが抵抗線として意識されて伸び悩む動きを示した。 米大統領選の見通し不透明感を受けてNY金は1日から5日まではもちあいとなった が、トランプ氏の大統領選再選を受け、6日はドル高から急落。その一方、NY株式市 場でニューヨークダウは一時1500ドルの上げ幅を記録する急騰となった。 金の急落は、大統領選を通過したことが、今後、金市場が堅調に推移するかは不透明 感が強い。移民排斥や中国からの輸入品に対する輸入関税が引き上げを言及しているト ランプ氏が大統領に就任後は、移民の排斥による労働人口の縮小や、中国製品に対する 輸入関税の引き上げを受けた輸入物価の上昇の可能性があり、これがインフレ懸念が再 燃する可能性を連想させるからだ。 米国では9月雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が前月から41 万8000件減少したうえ、事前予想の800万件も大幅に下回る744万3000件 だったことが明らかとなったことで、米雇用情勢は軟化しつつある様子が意識されてい る。 雇用情勢が軟化に向かえば賃金も伸び悩みに転じると予想される。これまで米経済の 成長を支えてきた個人消費にも陰りが出て、インフレ率の低下や雇用情勢不安を高める 結果、米連邦準備理事会(FRB)は追加利下げに向かうとの流れが意識されてきた。 トランプ氏の大統領選当選により、これらの思惑も大幅に後退している。 大統領選の一大イベントを通過した安心感から市場に参入する動きが予想される。そ の一方で11月7日に開催される公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを見込む 比率は11月5日時点で97.4%と圧倒的多数を占めている。ただし、12月17、 18日開催のFOMCの追加利下げ予想比率は、68.7%、現在の4.75〜5.0 0%から4.50〜4.75%に引き下げられると予想する比率が30.5%、9月時 点と同水準とする比率は0.8%となっている。 つまり、11月FOMCで0.25%の利下げを実施した後は年内の追加利下げは据 え置かれると予想しているのがおよそ3分の1を占めていることになる。 米求人件数は減少しながらも変動が9月の米PCEコアデフレーターの前年同月比は +2.6%への低下という事前予想に反し、前回と同率の+2.7%を記録するなど個 人消費の旺盛さが示されるなど、雇用統計や雇用及び賃金に関連する経済指標には強気 な内容も見られている。 これまでは米求人件数が縮小し続ければ強気な米雇用情勢も軟化に転じ、これが米連 邦準備理事会(FRB)による追加利下げを促す要因になるとの見方が意識されてきた が、トランプ氏による大統領選勝利によってこの見方にも修正が必要となっており、金 市場は上値を抑制される足取りが続くことになりそうだ。 なお、ハリケーンや大規模ストが影響するなか、10月の雇用統計は非農業部門雇用 者数の前月比が事前予想の10万人増を大幅に下回る1.2万人増にとどまった。次回 の雇用統計で引き続き雇用者数が伸び悩むのか、それとも今回のような低水準な増加が 一時的なものにとどまるのかどうかを確かめたい。 MINKABU PRESS
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