【前週のレビュー】ニューヨーク原油はいったん底割れしたものの、その押し目底から 切り返す展開。12月限は10月29日に66.72ドルの安値を付けた後、V字型の 切り返しとなっている。目先の戻り高値のメドとしては、現在、77.70ドルから 66.72ドルまでの下げ幅の38.2%戻し(70.91ドル辺り)を達成している ため、これを抜けると、半値戻しの72.21ドル、61.8%戻しの73.51ドル 辺りとなるとした。 【NY原油はもみ合いも戻り高値更新】 ニューヨーク原油12月限は、前回の当欄で指摘した半値戻しの72.21ドルは達 成したが、ここまでの高値は7日の72.88ドルで、61.8%戻しの73.51ド ルには届かず上づかえ感が出て来た。というより70ドル台前半の広めのもみ合いとな っている。その間、石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産縮小延期の合意、米大統 領選挙、米連邦公開市場委員会(FOMC)などビッグイベントが重なったこともあっ て、思惑が交錯した印象が強い。 とは言え、最新では戻り高値を更新してきているため、目先はどこまで上値を伸ばす のが焦点となりそうだ。上値目標としてはまず゛す61.8%戻しの73.51ドル辺 りとなる。日柄的には営業日ではないが、16日が満月であり、その辺りが天井のタイ ミングとなる可能性もある。なお本稿執筆時点の8日の午後には71ドル台後半で推移 している。 材料的には、米大統領にトランプ氏が返り咲くことになり、中長期的にそれが原油相 場にどう影響するのか色々議論されている。 まず弱気な見方としては、大統領と上下院議会を共和党が制する「レッドスイープ」 の様相(赤は共和党のシンボルカラー)となってきたため、今後長期金利の上昇、ドル 高を予想する向きが多く、原油相場には圧迫要因になり得る。 またトランプ氏は選挙期間中「国内の石油産業を優遇する」との主張しており、バイ デン政権時代の規制が緩和されて、米国産原油がさらに増産するとの見方もある。 さらにもし彼がロシアのウクライナ侵略を強権を持って終結させれば、ロシア産原油 の供給が国際市場に戻って来るため、これも弱材料となる。 最後にこれは筆者の経験則だが、トランプ氏は前回の大統領在任中、何度も原油相場 に「口先介入」して急落させた「前科」がある。 なお米大手金融機関、シティは2025年のブレント原油の平均価格が60ドルまで 下落するという弱気の見通しを出している。 一方、強気な見方としては、トランプ氏はイスラエル支持を表明しており、米国とイ ランとの関係が一段と悪化して、中東の地政学的リスクが今まで以上に悪化することだ ろう。とくに今はイスラエルとイランが報復合戦を行っている状況のため、ニュース次 第で投機的に大きく買われる可能性も秘めている。ただその急騰が長続きするか否かは それが実際の供給懸念を伴うものか否かで判断したい。 産油国側のニュースとしては、OPECプラスが3日、自主減産について、12月か ら実施予定だった日量220万バレルから同18万バレルの減産縮小を1カ月延期する ことで合意した。 なお次の会合は12月1日の予定。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は米大統領選挙後に大きく買われて、 過去最高値をさらに更新して、4万3000ドル台後半まで上伸した。 ドルインデックスも米大統領選挙後に大きくドル高が進展して、一時105ポイント 台に乗せた。直近は104ポイント台前半まで軟化している。 【10月の中国の原油輸入、6カ月連続で前年同月比減】 7日の中国の税関総署の発表によると、10月の同国の原油輸入は4470万トン (日量1053万バレル)と、前年同月比9%減だった。これで6カ月連続で減少。ま た年初からの10カ月累計も4億5700万トンと、前年同期比3.4%減となった。 【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】 東京原油の6番限である4月限は6万5000円の節目やボリンジャーバンドの−1 シグマ(6万5630円辺り)に支持されて反発。直近は1シグマ(6万8560円辺 り)を挟んだもみ合いとなっている。 ガソリン先限は名目値で8万円ちょうどの横ばいが続いている。 【NY原油のテクニカル】 ニューヨーク原油12月限はボリンジャーバンドの−2シグマ(66.40ドル辺 り)を割り込まずに反発。直近は1シグマ(72.81ドル辺り)を試してしている。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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