石油週間展望=トランプ再選で中長期的には弱気の見方優勢

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [11月11日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
         週間高低(カッコ内は日付)     11 月  5 日〜 11 月 8 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   80,000    80,000( 5)    80,000( 5)   80,000        ±0
灯  油  先限   81,000    81,000( 5)    80,000( 5)   80,000       ±0
原  油 4月限   67,280    69,600( 7)    66,520( 5)   68,360     +1,050
======================================
                                        11 月  4 日〜 11 月 7 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値      安 値     終値   前週末比
  NY原油 12 月限      70.29    72.88( 7)    69.74( 6)  72.36    +2.87
ブレント原油  1 月限      74.00    76.24( 5)    73.34( 6)  75.63    +2.53
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
8日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 152.70 前週末比 0.22円の円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週のレビュー】ニューヨーク原油はいったん底割れしたものの、その押し目底から
切り返す展開。12月限は10月29日に66.72ドルの安値を付けた後、V字型の
切り返しとなっている。目先の戻り高値のメドとしては、現在、77.70ドルから
66.72ドルまでの下げ幅の38.2%戻し(70.91ドル辺り)を達成している
ため、これを抜けると、半値戻しの72.21ドル、61.8%戻しの73.51ドル
辺りとなるとした。

【NY原油はもみ合いも戻り高値更新】
 ニューヨーク原油12月限は、前回の当欄で指摘した半値戻しの72.21ドルは達
成したが、ここまでの高値は7日の72.88ドルで、61.8%戻しの73.51ド
ルには届かず上づかえ感が出て来た。というより70ドル台前半の広めのもみ合いとな
っている。その間、石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産縮小延期の合意、米大統
領選挙、米連邦公開市場委員会(FOMC)などビッグイベントが重なったこともあっ
て、思惑が交錯した印象が強い。
 とは言え、最新では戻り高値を更新してきているため、目先はどこまで上値を伸ばす
のが焦点となりそうだ。上値目標としてはまず゛す61.8%戻しの73.51ドル辺
りとなる。日柄的には営業日ではないが、16日が満月であり、その辺りが天井のタイ
ミングとなる可能性もある。なお本稿執筆時点の8日の午後には71ドル台後半で推移
している。

 材料的には、米大統領にトランプ氏が返り咲くことになり、中長期的にそれが原油相
場にどう影響するのか色々議論されている。
 まず弱気な見方としては、大統領と上下院議会を共和党が制する「レッドスイープ」
の様相(赤は共和党のシンボルカラー)となってきたため、今後長期金利の上昇、ドル
高を予想する向きが多く、原油相場には圧迫要因になり得る。
 またトランプ氏は選挙期間中「国内の石油産業を優遇する」との主張しており、バイ
デン政権時代の規制が緩和されて、米国産原油がさらに増産するとの見方もある。
 さらにもし彼がロシアのウクライナ侵略を強権を持って終結させれば、ロシア産原油
の供給が国際市場に戻って来るため、これも弱材料となる。
 最後にこれは筆者の経験則だが、トランプ氏は前回の大統領在任中、何度も原油相場
に「口先介入」して急落させた「前科」がある。
 なお米大手金融機関、シティは2025年のブレント原油の平均価格が60ドルまで
下落するという弱気の見通しを出している。

 一方、強気な見方としては、トランプ氏はイスラエル支持を表明しており、米国とイ
ランとの関係が一段と悪化して、中東の地政学的リスクが今まで以上に悪化することだ
ろう。とくに今はイスラエルとイランが報復合戦を行っている状況のため、ニュース次
第で投機的に大きく買われる可能性も秘めている。ただその急騰が長続きするか否かは
それが実際の供給懸念を伴うものか否かで判断したい。

 産油国側のニュースとしては、OPECプラスが3日、自主減産について、12月か
ら実施予定だった日量220万バレルから同18万バレルの減産縮小を1カ月延期する
ことで合意した。
 なお次の会合は12月1日の予定。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は米大統領選挙後に大きく買われて、
過去最高値をさらに更新して、4万3000ドル台後半まで上伸した。
 ドルインデックスも米大統領選挙後に大きくドル高が進展して、一時105ポイント
台に乗せた。直近は104ポイント台前半まで軟化している。

【10月の中国の原油輸入、6カ月連続で前年同月比減】
 7日の中国の税関総署の発表によると、10月の同国の原油輸入は4470万トン
(日量1053万バレル)と、前年同月比9%減だった。これで6カ月連続で減少。ま
た年初からの10カ月累計も4億5700万トンと、前年同期比3.4%減となった。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である4月限は6万5000円の節目やボリンジャーバンドの−1
シグマ(6万5630円辺り)に支持されて反発。直近は1シグマ(6万8560円辺
り)を挟んだもみ合いとなっている。
 ガソリン先限は名目値で8万円ちょうどの横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル】
  ニューヨーク原油12月限はボリンジャーバンドの−2シグマ(66.40ドル辺
り)を割り込まずに反発。直近は1シグマ(72.81ドル辺り)を試してしている。

<当面の予定>
 9日【経済】中国消費者物価指数 2024年10月(国家統計局)
   【経済】中国生産者物価指数 2024年10月(国家統計局)
11日【経済】国際収支(経常収支) 2024年9月(財務省)
   【経済】景気ウォッチャー調査 2024年10月(内閣府)
   【休日】仏第一次大戦休戦記念日
   【休日】米退役軍人の日
12日【経済】マネーストック 2024年10月(日本銀行)
   【経済】独消費者物価指数 2024年10月確報(連邦統計庁)
   【経済】独景況感指数 2024年11月(ZEW)
   【経済】英雇用統計 2024年10月(国立統計局)
   【工業】石油輸出国機構(OPEC)月報
13日【経済】企業物価指数 2024年10月(日本銀行)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2024年9月(EUROSTAT)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米消費者物価指数 2024年10月(労働省)
   【経済】米財政収支 2024年10月(財務省)
   【工業】米週間石油統計(API)
14日【経済】ユーロ圏国内総生産 2024年7-9月期改定(EUROSTAT)
   【経済】英国内総生産 速報値 2024年7-9月期(国立統計局)
   【経済】英貿易収支 2024年9月(国立統計局)
   【経済】英鉱工業生産指数 2024年9月(国立統計局)
   【経済】英製造業生産指数 2024年9月(国立統計局)
   【経済】新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】生産者物価指数 2024年10月(労働省)
   【工業】週間石油統計(EIA)
   【工業】国際エネルギー機関(IEA)月報
15日【経済】国内総生産 2024年7-9月期1次速報(内閣府)
   【経済】鉱工業生産指数 2024年9月確報(経済産業省)
   【経済】第3次産業活動指数 2024年9月(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2024年9月確報(経済産業省)
   【経済】中国住宅価格指数 2024年10月(国家統計局)
   【経済】中国小売売上高 2024年10月(国家統計局)
   【経済】中国鉱工業生産 2024年10月(国家統計局)
   【経済】仏消費者物価指数 2024年10月確報(INSEE)
   【経済】米小売売上高 2024年10月(商務省)
   【経済】米輸出入物価指数 2024年10月(労働省)
   【経済】米製造業景況指数 2024年11月(ニューヨーク連銀)
   【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2024年10月(FRB)
   【経済】米企業在庫 2024年9月(商務省)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【商品】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。