【これからの見通し】ドル高の基調継続も目先の値動は停滞　米新規失業保険申請件数をチェック

【これからの見通し】ドル高の基調継続も目先の値動は停滞　米新規失業保険申請件数をチェック

　ドル高の基調は継続している。マーケット全体のテーマであるトランプトレードの動きには目立った変化はみられていない。ただ、ここ一週間はドル高の勢いは弱まり、相場は停滞している。新たな材料として、ウクライナとロシアの戦闘が新たな局面を迎えている。しかし、リスク回避の動きは局面ごとにみられるものの、持続性は乏しい。来年のトランプ政権発足に向けてやや不安定な局面に入ってきているようだ。

　日銀について、市場は１２月利上げ観測を高めてきている。直近の植田日銀総裁の発言は「金融政策、最新の情報に基づいて会合ごとに判断」「次回の会合までまだ１カ月ある、結果について予測できず」と態度を保留した。しかし、「１２月会合前に多くのデータが出る」との発言に市場は１２月利上げの可能性を感じたもよう。敏感に円買いが入っている。１２月１９日の次回会合までは、円相場はボラタイルな展開が続きそうだ。

　この後の海外市場で発表される経済指標は英公共部門ネット負債（10月）、香港消費者物価指数（CPI）（10月）、トルコ中銀政策金利（11月）、カナダ鉱工業製品価格（10月）、米フィラデルフィア連銀景況指数（11月）、米新規失業保険申請件数（11/10 - 11/16）、米景気先行指数（10月）、米中古住宅販売件数（10月）、ユーロ圏消費者信頼感指数（速報値）（11月）、南ア中銀政策金利（11月）など。このなかでは米新規失業保険申請件数が注目される。市場予想は２２．０万件と前回の２１．７万件からやや増加する見込み。

　発言イベント関連では、欧州関連の予定が目白押し。クノット・オランダ中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、チポローネＥＣＢ理事、エスクリバ・スペイン中銀総裁、エルダーソンＥＣＢ理事、パツァリデス・キプロス中銀総裁、レーンＥＣＢチーフエコノミスト、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、カジミール・スロバキア中銀総裁などがオランダ銀行主催年次会議や欧州経済会議で発言する。マン英中銀委員、チュディン・スイス中銀理事、ハマック・クリーブランド連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁、バーＦＲＢ副議長などの講演やイベント参加も予定されている。米企業決算発表では、小売大手のギャップが注目される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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