【これからの見通し】週末を控えて、今週の円安やドル高傾向は続くのか 思惑主導の展開

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】週末を控えて、今週の円安やドル高傾向は続くのか 思惑主導の展開

 今週の為替市場は、神経質に売買が交錯しつつも、円安とドル高方向へと傾斜している。円相場にとっては、来週の日銀決定会合での利上げ見送り観測が次第に広がってきていることが円売り圧力となっている。現時点では多くのエコノミストが来年3月までには50bp幅での利上げを予想していると報じられているが、ドル円は153円付近に高止まりしており、マーケットは利上げ観測が先延ばしされてきていることを重視しているようだ。

 昨日のECB理事会では予想通り25bp利下げが発表された。声明からは「景気抑制的な」との文言が削除されており、先行きの利下げ路線が示唆された。インフレや成長見通しも引き下げられていた。一方で、英中銀について、市場は来週の会合での政策金利据え置き観測が優勢になっている。ユーロ売り・ポンド買い圧力が継続した。ただ、昨日はユーロポンドが反発しており、ECB理事会通過や週末を控えた調整が入っていた。

 その他には、今週は中国が来年に金融政策を緩和方向に転換することが示されており、人民元安とともにドル高の圧力が見られた。スイス中銀は大胆に50bpの大幅利下げを発表。世界的に緩和圧力が広がるなかで、ドル相場が浮上する格好となっている。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、英月次GDP(10月)、英鉱工業生産指数(10月)、英貿易収支(10月)、ドイツ貿易収支(10月)、フランス消費者物価指数(確報)(11月)、ユーロ圏鉱工業生産指数(10月)、米輸入物価指数(11月)、カナダ製造業売上高(10月)、カナダ卸売売上高(10月)、カナダ設備稼働率(2024年 第3四半期)など。

 米国ではすでに消費者物価や生産者物価などが発表された後で、輸入物価への市場応はあまり期待できないだろう。日本時間午後4時に発表される一連の英経済指標に対する市場反応でで来週の英金利据え置き観測が支持されるのかどうかを確認することとなろう。

 発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁などの講演や独連銀半期に1度の経済予測などが予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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