円売りが継続、来週の日銀利上げ観測後退観測 ドル円は153円台半ばへ=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、円売りが継続している。今週は一連の関係者からのリーク情報で、来週の日銀決定会合での利上げ見送り観測が広がっており、週末のロンドン市場でも円が売られている。ドル円は152円台後半から153円台半ばへ、ユーロ円は159円台後半から161円台乗せへ、ポンド円は193円割れから194円台乗せへと上昇している。前日のECB理事会でのハト派トーンを受けて、きょうは一連のECB当局者らからも来年の利下げに言及する声が相次いだ。タカ派で知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁も2%前後の中立金利水準まで金利が低下する可能性がある、としている。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移しており、リスク動向からも円売り圧力がみられている。また、ユーロ対ポンドではユーロが買い戻されている。この日発表された英月次GDPが予想外の2か月連続マイナスとなり、ポンド売りを誘った。ECBと英中銀の金利見通しの差異に基づいたこれまでのユーロ売り・ポンド買いの動きに調整が入る格好になっている。ユーロドルは1.04台半ばから1.05手前へと上昇。一方で、ポンドドルは1.26台後半から1.26台前半に下げた後の戻りは1.26台半ば付近までとなっている。 ドル円は153円台半ばでの取引。東京朝方の152.46近辺を安値にその後は153台に一時乗せた。しかし、東京午後には上値を抑えられて152円台後半に戻した。ロンドン時間に入ると買いが勢い付いており、高値を153.50付近へと伸ばしてきている。来週の日銀決定会合での利上げ見送り観測、きょうの欧州株の堅調な動きなどが円売り圧力となっているもよう。 ユーロドルは1.04台後半での取引。東京市場では1.0480付近から1.0450付近へと軟化した。しかし、ロンドン時間に入るとユーロ円やユーロポンドの上昇とともに買われ、高値を1.0496近辺に更新している。ユーロ円はドル円とともに買われ、159円台後半から161円台乗せへと上伸している。対ポンドではユーロが買い戻されている。ドイツ連銀の半期経済予測では2024-2026年のインフレおよび成長見通しがいずれも引き下げられた。一連のECB高官発言からは来年の追加利下げを支持する声が相次いだ。 ポンドドルは1.26台半ばでの取引。東京朝方の1.2679近辺を高値にその後は上値重く推移。10月英月次GDPがマイナス0.1%と予想外に2か月連続にマイナス成長となったことが、ポンド売り反応を広げた。安値を1.2619近辺まで広げた。その後はロンドン時間に買い戻しが入っているが、1.2650付近までと限定的な動き。ポンド円は英月次GDP発表を受けて193円台後半から192.86近辺まで下落。その後の反発は194.20台までとなっている。ユーロポンドでは、ポンド売りが入っている。0.8255近辺から0.83付近までユーロ買い・ポンド売りが進んだ。ただ、英中銀四半期インフレ調査では、1年後から5年後の全調査期間でインフレ見通しが上昇している。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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