ゴム週間展望=上海ゴムのチャート悪化、5月限はレンジから下放れか

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [12月23日からの展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     週間高低(カッコ内は日付)         12月16日〜12月20日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年05月限      369.4      376.1(17)    364.3(18)    367.0     -  2.4
 RSS先限      374.0      374.0(16)    371.0(18)     371.0     -  1.0
 TSR20    316.0      316.0(16)    304.0(19)    308.0     -  3.0
=======================================
東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 156.99円  前週末比 4.15 円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週までのレビュー】産地相場の戻り一服や上海安を背景に、レンジから下放れする
可能性があるとみる。
【レンジ下限の攻防に注目】
 JPXゴムRSS3号は、売りがやや優勢となった。活発限月の5月限は、18日に
は364.3円まで下落し、12月9日以降のレンジの下限である365円前後の攻防
となった。現状、同水準は維持されているが、上海ゴムはチャートが崩れかけている。
目先、レンジから下放れする可能性があるとみる。レンジから下放れると、節目の36
0円や11月25日の安値356.7円を目指した下げになりそうだ。
【タイオファーは84バーツ台を中心に推移】
 産地価格が小動きとなってきた。12月20日のタイ南部の天然ゴム主要積み出し港
のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.71バーツ低下の84.44バーツ
が提示された。16日からの一週間では、3営業日で84バーツ台が提示されている。
9日に86.14バーツまで水準を引き上げたが、その後、86バーツ台が提示される
ことはない。現状、83〜85バーツ前後の居心地がよさそうだ。この冬は、ラニーニ
ャ現象が懸念された。ただ、気象庁の予報では、現状、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭
となっているが、今後は弱まるとされている。天候不安を背景とした産地高の可能性
は、短期的に低いようだ。
【上海ゴムは下値を試すか】
 上海ゴムの中心限月5月限は、12月12日から陰線が6本並んだ。12月6日には
1万9180元まで上昇した。だが、同水準では売り浴び、終値ベースでの1万900
0元台乗せに失敗すると、7日からの9営業日で陽線がわずか1本と一方的な下落とな
っており、19日には1万7510元まで下落し、11月18日の安値1万7360元
が視野に入ってきた。安値更新となれば、節目の1万7000元の攻防になる。
【中国鉱工業生産は堅調だが】
 16日に中国国家統計局から発表された11月の中国鉱工業生産は、前年同月比5.
4%の増加となり、前月の5.3%増から加速した。また、1−11月期の累計では、
同5.8%となった。鉱工業生産は堅調に推移している。その一方で、同時に発表され
た11月の中国小売高は、同3.0%増となり、前月の4.8%増から減速となった。
11月の中国消費者物価指数をみても、前月比では伸び率が低下している。中国政府
は、財政出動、金融緩和を実施しているが、個人消費の回復にはまだ時間が掛かりそう
だ。
【東京ゴム活発限月の5月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の5月限は、やや売りが優勢となった。11月中旬からの
値動きをみると、産地安を背景に11月14日には341.0円まで一時下落した。だ
が、同日の日足が下ヒゲが長く、実体の短い陰線となると反発を開始し、上海ゴムが地
合いを引き締めたことから、11月29日には376.5円まで上昇した。その後、3
57.7円まで押されたが、12月は上海高から買いが優勢となり、9日には383.
4円まで水準を引き上げた。ただ、終値ベースでの380円乗せに失敗すると、その後
は上値を削る展開となり、18日には一時364.3円までで軟化した。現状、355
円前後が支持になっており、同水準での攻防が注目される。
 売りが先行すれば、365円をしっかり割り込むかがポイントになる。同水準をしっ
かり下抜くと、節目の360円や11月25日の安値356.7円、さらには節目の3
50.0円が視野に入る。一方、地合いを引き締めれば、節目の380.0円の攻防に
注目したい。380円台に乗せると、9日の高値383.4円や節目の390円が意識
される。390円超えとなれば、400円を試そう。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムに注目したい。上海ゴムの中心限月の5月限は、チャートが崩れかけてい
る。節目の1万7000元を割り込むと、大幅な水準調整となる可能性がある。その場
合は、JPXゴムRSS3号も大幅安が予想される。
【相場予想レンジ】
 12月23〜27日のJPXゴムRSS3号5月限の中心レンジ予想は350〜38
5円。テクニカルの支持線は360.0円(節目)、抵抗線は380.0円(節目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
23日 英国内総生産確報値 2024年7-9月期(国立統計局)
    米消費者信頼感指数 2024年12月(カンファレンスボード)
24日 ●ドイツ(クリスマス)
    金融政策決定会合議事要旨公表 10月30-31日分(日本銀行)
    米耐久財受注 2024年11月速報値(商務省)
    米新築住宅販売 2024年11月(商務省)
25日 ●豪州・欧米(クリスマス)
    景気動向指数 2024年10月改定状況(内閣府)
26日 ●豪州、独仏英(ボクシング・デー)
    貿易収支 2024年11月確報(財務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
27日 労働力調査(失業率) 2024年11月(総務省)
    鉱工業生産指数 2024年11月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2024年11月速報(経済産業省)
    中国工業利益 2024年11月(国家統計局)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    米卸売在庫 2024年11月速報値(商務省)
    MINKABU PRESS
    ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。