【前週までのレビュー】産地相場の戻り一服や上海安を背景に、レンジから下放れする 可能性があるとみる。 【レンジ下限の攻防に注目】 JPXゴムRSS3号は、売りがやや優勢となった。活発限月の5月限は、18日に は364.3円まで下落し、12月9日以降のレンジの下限である365円前後の攻防 となった。現状、同水準は維持されているが、上海ゴムはチャートが崩れかけている。 目先、レンジから下放れする可能性があるとみる。レンジから下放れると、節目の36 0円や11月25日の安値356.7円を目指した下げになりそうだ。 【タイオファーは84バーツ台を中心に推移】 産地価格が小動きとなってきた。12月20日のタイ南部の天然ゴム主要積み出し港 のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.71バーツ低下の84.44バーツ が提示された。16日からの一週間では、3営業日で84バーツ台が提示されている。 9日に86.14バーツまで水準を引き上げたが、その後、86バーツ台が提示される ことはない。現状、83〜85バーツ前後の居心地がよさそうだ。この冬は、ラニーニ ャ現象が懸念された。ただ、気象庁の予報では、現状、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭 となっているが、今後は弱まるとされている。天候不安を背景とした産地高の可能性 は、短期的に低いようだ。 【上海ゴムは下値を試すか】 上海ゴムの中心限月5月限は、12月12日から陰線が6本並んだ。12月6日には 1万9180元まで上昇した。だが、同水準では売り浴び、終値ベースでの1万900 0元台乗せに失敗すると、7日からの9営業日で陽線がわずか1本と一方的な下落とな っており、19日には1万7510元まで下落し、11月18日の安値1万7360元 が視野に入ってきた。安値更新となれば、節目の1万7000元の攻防になる。 【中国鉱工業生産は堅調だが】 16日に中国国家統計局から発表された11月の中国鉱工業生産は、前年同月比5. 4%の増加となり、前月の5.3%増から加速した。また、1−11月期の累計では、 同5.8%となった。鉱工業生産は堅調に推移している。その一方で、同時に発表され た11月の中国小売高は、同3.0%増となり、前月の4.8%増から減速となった。 11月の中国消費者物価指数をみても、前月比では伸び率が低下している。中国政府 は、財政出動、金融緩和を実施しているが、個人消費の回復にはまだ時間が掛かりそう だ。 【東京ゴム活発限月の5月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の5月限は、やや売りが優勢となった。11月中旬からの 値動きをみると、産地安を背景に11月14日には341.0円まで一時下落した。だ が、同日の日足が下ヒゲが長く、実体の短い陰線となると反発を開始し、上海ゴムが地 合いを引き締めたことから、11月29日には376.5円まで上昇した。その後、3 57.7円まで押されたが、12月は上海高から買いが優勢となり、9日には383. 4円まで水準を引き上げた。ただ、終値ベースでの380円乗せに失敗すると、その後 は上値を削る展開となり、18日には一時364.3円までで軟化した。現状、355 円前後が支持になっており、同水準での攻防が注目される。 売りが先行すれば、365円をしっかり割り込むかがポイントになる。同水準をしっ かり下抜くと、節目の360円や11月25日の安値356.7円、さらには節目の3 50.0円が視野に入る。一方、地合いを引き締めれば、節目の380.0円の攻防に 注目したい。380円台に乗せると、9日の高値383.4円や節目の390円が意識 される。390円超えとなれば、400円を試そう。 【今週の注目ポイント】 上海ゴムに注目したい。上海ゴムの中心限月の5月限は、チャートが崩れかけてい る。節目の1万7000元を割り込むと、大幅な水準調整となる可能性がある。その場 合は、JPXゴムRSS3号も大幅安が予想される。 【相場予想レンジ】 12月23〜27日のJPXゴムRSS3号5月限の中心レンジ予想は350〜38 5円。テクニカルの支持線は360.0円(節目)、抵抗線は380.0円(節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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