石油週間見通し=NY原油は年明けも70ドルを挟んだもみ合い続くか、

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は70ドルの節目を挟んだもみ合い続く。
年内はさらにクリスマスムードが強まりそうで、値動きがこう着する可能性がある。突
発的なニュースには注意する必要があるが、一時的な高騰は「待ってました」と戻り売
り好機と捉えられやすい状況にあるとした。

【NY原油は引き続き70ドルを挟んだもみ合い続く】
 ニューヨーク原油2月限は引き続き70ドルの節目を挟んだもみ合いとなっている。
突発的なニュースもなく、「待ってました」と戻り売りの好機はなかった。引き続き、
70ドル台では上値が重く、本稿執筆時の27日午後は69ドル台後半で推移してい
る。
 チャート的には、この70ドル水準は心理的な側面だけではなく、前回の当欄でも指
摘したように、9月10日の安値63.73ドルから10月8日の高値76.41ドル
までの上げ幅のほぼレンジ中央(70.07ドル)に位置しており、売り買いが拮抗す
る水準となっており、新たな材料なしには上下どちらにも放れにくい状況となってい
る。年明け早々にはどちらかに放れるような展開は予想しにくい。

 来年の大局的な見通しとしては、需給緩和が共通認識となっており、国際エネルギー
機関(IEA)などの月報では供給過剰が予想されている。その主因は米国に次ぐ需要
国である中国の需要低迷観測が根強く、中国の当局者からも前回の当欄でも指摘したよ
うに、需要のピーク時を迎えているとの見方が出ている状況だ。
 ただ直近、世界銀行が同国の2024年と2025年国内総生産(GDP)成長率予
測を引き上げて、微妙にセンチメントが変化しつつある。世界銀行は26日、2024
年の中国のGDP成長率は4.9%と、6月発表時の4.8%から、2025年も
4.5%と、同4.1%からそれぞれ上方修正した。

 地政学的リスクに関しては、中東、ロシアとウクライナで相変わらず激しい戦闘が繰
り広げられているが、日常化しており、あまり材料視されなくなっている。
 とくにロシア関連では、フィンランド当局がバルト海で同国とエストニアを結ぶ送電
用海底ケーブルを損傷させた疑いで、ロシアから出航した石油タンカーを検査したり、
アゼルバイジャン機墜落にロシアの防空システムが関与している可能性が指摘された
り、かなり不穏なニュースが流れているが、原油相場は反応薄となっている。
 来年に関しては、トランプ米大統領の就任以降、ロシア・ウクライナ戦争の行方が主
要テーマのひとつになろう。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は12月に入り後はファンドの益出し
で、高値から大きく崩れる展開となっていたが、直近は下げ一服で4万3000ドル台
まで戻している。
 ドルインデックスは上昇が続いていたが、直近は108ポイント近辺で上値抵抗とな
り、こう着感が出てきている。

【今年の中国の米国産原油輸入、前年比ほぼ半減】
 調査会社、ケプラーによると、2024年の米国産原油の対中輸出は8190万バレ
ルと、昨年の同1億5060万バレルから46%減とほぼ半減していた。この結果、中
国は米国産原油の輸出先として第6位となり、昨年の第2位から大きく後退した。
 これは中国の全体の原油輸入自体が前年比7.2%減となったこともあるが、ロシ
ア、イラン、ベネズエラなどへ輸入シフトしたこともその背景にある。
 来年は米国がトランプ大統領になり、さらに米中の貿易摩擦が激化するような状況だ
けに、同国の米国産原油輸入はさらに減少しそうだ。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である5月限は、おおむねボリンジャーバンドの1シグマ(6万
8900円辺り)を支持線として緩やかな上昇基調が続いている。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいとなっている。

【NY原油のテクニカル】
 ニューヨーク原油2月限は、70ドルの節目と、それに近いボリンジャーバンドの1
シグマ(70.02ドル辺り)を挟んだもみ合いが続いている。

MINKABU PRESS

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