トランプ演説でドル円は155円台に下落 利下げと原油価格引き下げを要請=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は売りが優勢となり、155円台に下落している。トランプ大統領がダボス会議でオンライン演説で為替市場はドル売りが強まった。大統領は利下げとOPECへの原油価格引き下げを要請すると述べたことに敏感に反応している。大統領はまた、関税を課して製造業を米国に戻す意向も繰り返し言及した。 円に関して市場は、明日の日銀決定会合に注目している。利上げがほぼ確実と見られているが、市場はそれを既に十分に織り込んでおり、次の行動に向けての植田総裁のヒントと円相場の反応に注目しているようだ。ただ、植田総裁はデータ次第の慎重姿勢を示すと見られており、ハト派的利上げで円高への期待も高まっていない。 今後、円高のシナリオがあるとすれば、日銀のタカ派サプライズか、トランプ大統領の貿易政策に絡んだリスク回避が想定されるが、あるとすれば、後者の方が可能性が高いとみられている模様。 前半のユーロドルは1.03ドル台に値を落としていたが、トランプ大統領のスピーチを受けて1.04ドル台に戻している。今週のユーロドルは買い戻しが膨らみ21日線を突破。その後も高値圏を維持しており、リバウンド相場の兆候も見せている。 同時にパリティ(1.00ドル)への下落リスクも後退している格好だが、期待は根強い。ストラテジストは、第2四半期にパリティ(1.00ドル)まで下落する可能性を指摘している。欧州の構造的な経済問題や米国と比較した低成長の見通しを踏まえると、第2四半期にはパリティまで下落する可能性があると述べている。 ドイツとフランスの経済停滞を背景に、トランプ大統領の規制緩和と減税も踏まえ、欧州が米国と競争できるのかという疑問が投げかけられているという。米国の投資コミュニティの楽観的な見通し、米成長見通しの活況、インフレ懸念の高まりにより、ドルは対ユーロで堅調に推移するという。 ポンドドルも買い戻しが優勢となり、一時1.2375ドル付近まで上昇する場面も見られた。ただ、英経済への不透明感が強まる中、英中銀の利下げ期待が台頭しているほか、英財政への懸念もあり、ポンドは上値の重い展開が続いている。そのような中、エコノミストからは今年の英破産件数の増加は限定的との指摘が出ている。 25年の成長は緩やかでも、英破産件数の増加は限定的であろうと述べた。英国の月間破産件数がパンデミック前の水準に戻りつつあることを示す最近のデータを指摘し、「破産件数の急増は終わり、企業の苦境は低水準にある」と述べた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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