株価指数先物【引け後】 下へのバイアスが強まるも、冷静にリバランスの動き

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪3月限
日経225先物 39070 -410 (-1.03%)
TOPIX先物 2759.0 +7.5 (+0.27%)

 日経225先物(3月限)は前日比410円安の3万9070円で取引を終了。寄り付きは3万9100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9060円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。前場中盤にかけて3万8890円まで下げた後はリバウンドをみせ、前場終盤に一時3万9380円まで下落幅を縮めた。

 ただし、売り一巡後の戻りで上回った25日移動平均線(3万9290円)をキープすることはできず、現物の後場の取引開始後には再び下へのバイアスが強まり、3万8900円と前場につけた安値水準に接近。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、辛うじて75日線(3万9040円)を上回って終えた。

 日経225先物は前場中盤にかけて75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)に接近する場面もみられた。-1σを割り込まなかったこともあり、その後は前場終盤にかけてショートカバーを誘う形になった。ただし、アドバンテスト<6857>[東証P]の下げが目立つなか、前場終盤にかけてやや持ち直す動きをみせていたソフトバンクグループ<9984>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]が後場に入り再び売り直され、先物に仕掛け的なショートを誘う格好だった。

 中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米国企業の優位性を脅かすとの懸念から、前日の米国市場ではエヌビディアが急落しており、同社の底入れを見極める必要があるだろう。DeepSeekショックで日経平均株価は2日間で900円超の下落となった。ただし、前日同様、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンの3銘柄で日経平均株価を510円超下押している。一方で、東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が全体の7割近くを占めており、冷静にリバランスを進めている。

 しばらくはハイテク株の影響を大きく受けやすいと考えられ、日経225先物は75日線を割り込んでくるようだと、200日線(3万8480円)辺りが射程に入ってくるだろう。同線を下回る局面ではショートが強まりやすく、-2σ(3万8250円)水準までの調整は想定しておきたいところだ。反対に75日線水準が支持線として機能すると、25日線突破から+1σ(3万9800円)辺りへのリバウンドが期待される。値がさハイテク株の一角の影響が大きい分、懸念要因が和らぐ局面では戻りの強さが意識されるだろう。

 NT倍率は先物中心限月で14.16倍に急低下した。一時14.12倍まで下げており、昨年12月2日以来の水準である。値がさハイテク株の弱さが目立つ状況ではTOPIX型優位の流れが続くと考えられるが、本日はボリンジャーバンドの-3σまで下げてきた。バンドに沿った低下となる可能性はあるものの、NTショートの巻き戻しを狙ったNTロングでのポジションが入りやすい水準と考えられる。

 手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7606枚、ソシエテジェネラル証券が2万1362枚、サスケハナ・ホンコンが6156枚、SBI証券が4895枚、モルガンMUFG証券が4563枚、JPモルガン証券が3302枚、ゴールドマン証券が3104枚、バークレイズ証券が2202枚、野村証券が2187枚、日産証券が2099枚だった。

 TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1895枚、ソシエテジェネラル証券が1万6402枚、バークレイズ証券が5251枚、JPモルガン証券が4617枚、ゴールドマン証券が3670枚、モルガンMUFG証券が3377枚、ビーオブエー証券が2061枚、ドイツ証券が1539枚、SBI証券が1163枚、三菱UFJ証券が785枚だった。

株探ニュース

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