【NY金は米貿易戦争懸念を受けた逃避買い需要に支えられ高値圏を維持】 NY金4月限は今年1月24日から29日にかけて2800ドルを抵抗線にしてのも ちあいで推移した。30日に発表された昨年第4四半期の米実質国内総生産(GDP) が+2.3%の伸びにとどまる弱気な内容だったことを受け米経済成長不安からドル売 りとなったことで大きく値を伸ばした。 その後もトランプ政権がコロンビアからの輸入に対し25%の関税を賦課するとしな がらもコロンビア政府が不法意味対策に合意したため、この関税発動が直前で回避に至 った。2月1日からとされたメキシコ、カナダからの輸入品に対する関税発動は1か月 先延ばしされる一方、中国からの輸入に対しては10%の関税が発動され、トランプ政 権による関税政策は賦課を盾にした外交政策が続けられるなか、今後の米国の対外関係 に対する警戒感から安全資産を求める動きが根強く見られたため金は値を伸ばし、5日 に2880.5ドルに達し、ニューヨーク金の指標限月としての史上最高値の更新が続 いた。 トランプ政権は関税の発動をちらつかせながら関税賦課の対象とされた国々と交渉を 行っているが、コロンビア、メキシコ、カナダのようにトランプ政権との交渉のなかで 譲歩を行い、これにより関税の発動を免れた国もあれば、中国の場合は交渉による結果 は得られず、米国が10%の関税発動を決定したのに対し中国側は報復関税を決定して いる。これにより米中間の貿易戦争の激化が懸念され、結果として金には逃避買い需要 が集まることになっている。 今後、トランプ政権による関税賦課が続くようであれば米国ではインフレ懸念が再燃 するうえ、追加利下げ観測が後退することが予想されるが、そうなればドル高傾向が維 持されることになり、結果としてドル建て資産を防衛するための金需要が刺激される可 能性がある点はこれまでと変わりはない。 また、関税の発動が見送られるようであれば米国と中国を中心とする他国との貿易戦 争が避けられるとの安心感と同時に、インフレ再燃懸念が後退することが、金市場にと っての買い支援要因となる。 トランプ政権は関税発動を交渉のカードとして扱っていることもあり、今後もNY金 は今後も同政権に翻弄される可能性がある。しかしながら、トランプ政権は関税賦課に 加え、移民排斥の動きを強めていることで今後は米雇用情勢が引き締まる傾向を強める 可能性がある点にも注意が必要となっている。 7日に1月の米雇用統計が発表される。今回発表される1月の非農業部門雇用者数の 前月比は昨年12月の伸びを下回ると予想される。 予想通りであれば米雇用情勢は緩和との見方からNY金を押し上げる要因になると見 られるが、同時にトランプ政権による移民排斥の動きが今後の引き締まりを予想させる ため、上値は限られる可能性がある。 米雇用情勢が引き締まることで米国の追加利下げ観測が遠のくようであれば、ドル高 の動きが金市場にとって弱気材料にも強気材料にもなる状況に変化はないと見られる。 NY金4月限はトランプ政権による貿易戦争の激化が警戒されるなかでの安全資産とし ての評価が高く、さらに史上最高値を更新する可能性を含めながらの高値圏での高下に なると予想される。 MINKABU PRESS
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