【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における2月 11日時点の大口投機家の売り越しは389万9361枚となり、前週の382万 6080枚から拡大した。取組高合計は4618万4709枚となり、前週から57万 3432枚(1.7%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.1%増、債券 合計が1.9%増、為替合計が1.2%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.5%減、エネルギー合計は0.4%増、金属合計は0.1%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規売りが新規買いを 上回って買い越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。 為替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、予想以上の米消費者物価指数(CPI)や米生産者物価指数(PPI)を受 けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退した。ただ米小売売上高が予想以 上に減少し、米国債の利回りは上げ一服となった。一方、トランプ米大統領が相互関税 の大統領令に署名したが、調査のため、発動には時間がかかるとみられている。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が5万4615枚買い越し(前週1万8768 枚買い越し)、ユーロは6万4425枚売り越し(同5万8614枚売り越し)、英ポ ンドは3168枚売り越し(同1万1323枚売り越し)となった。ユーロは新規売り が新規買いを上回って売り越しを拡大した。 商品市場では、原油がウクライナの停戦期待を受けて戻りを売られた。金はガザ停戦 破棄に対する懸念を受けて史上最高値2942.04ドルを付けたのち、利食い売りな どが出て上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が22万0004枚買い越し(前 週23万0313枚買い越し)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。ニューヨ ーク金は28万4504枚買い越し(同30万2508枚買い越し)に縮小、ニューヨ ーク・プラチナは2万5730枚買い越し(同1万5421枚買い越し)に拡大した。 金は手じまい売り、新規売りが出て、プラチナは新規買いが新規売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが42万4769枚買い越し(前週46万 2381枚買い越し)、大豆は6781枚買い越し(同3万7166枚買い越し)に縮 小した。コーンは手じまい売りが買い戻しを上回り、大豆は手じまい売り、新規売りが 出た。前週のコーンは、南米の天候懸念などを受けて押し目を買われた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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