<金> NY金4月限は今月13日に3000ドル台に達した後も転売を消化しながら一代高 値を更新する動きが続き20日に3065.2ドルを記録した。 米中貿易戦争に対する警戒感に加え、米軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派を 攻撃したことによる地政学不安の高まり、また、欧州での防衛費拡充の動きが北大西洋 条約機構(NATO)の分離を示唆するとの懸念や、これを受けたドル離れの不安が金 を支える要因となっている。 米国内においても2月米小売売上高の前月比は事前予想を下回る伸びにとどまったう え、1月分については速報値の−0.9%から−1.2%へと下方修正され、個人消費 意欲が減退傾向を維持している可能性が示されている。 一方の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+2.8%で2024年9月以来 の伸びの縮小となったが、それでもFRBが目標とする2%は上回る状態が続いてい る。 また、今回のCPIにトランプ関税が与えた影響は限られ、今後はCPIの伸びが加 速化する可能性が見込まれるが、すでに減退が懸念される個人消費がトランプ関税の影 響によってさらに後退することが警戒されるなど、米経済の見通しには不透明感が強 い。 米国商品先物取引委員会(CFTC)報告からは、取組の増加が進むなか投機筋を含 む大口投機家は買い越し玉の手仕舞いを進めている様子が窺われるが、取組高は51万 枚台で、60万枚に迫る動きを見せた1月下旬と比べるとまだ増加する余地を残してい ると見られる。 安全資産を求める根強い需要に支えられ、NY金は引き続き一代の高値を更新する可 能性を含んだうえで3000ドル台での高下が続くと予想される。 <銀> NY銀5月限は今月18日に3500セントと昨年10月30日以来の水準まで値を 伸ばした後、反落に転じている。 金に連動して上値を探る動きを演じたが、安全資産としての需要の乏しさから転売を 受けて値を落としたと見られる。 ただ、20日に3361.5セントと今月13日以来の水準まで値を落としたところ で下げ幅を縮小し、3420セント台で取引を終えているため、目先の安値を確認した 感も強い。 金が逃避買い需要に支えられる展開が見込まれるため、下落に対する抵抗も強くなる と見られ、3400セントを目先の下値支持線にしての高もみが想定される。 <白金> NY白金4月限は18日の取引で2月14日以来の水準となる1036.3ドルまで 値を伸ばした後に反落に転じたことで、12日から17日にかけての上昇は一段落し軟 化に転じたことで上げ一巡と見られる動きとなっている。 米中貿易戦争が経済に与える影響やこれを受けた工業用としての需要の後退が懸念が 引き続き重石となり、5日移動平均線が通る1013ドル水準が抵抗線として意識さ れ、1000ドル台では戻り売り圧力が強い。当面の支持線は今月13日の安値 976.2ドル。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は今月18日まで960ドル台後半を下値支持線としてもちあ っていたが、19日に軟化した後は続落に転じて20日には944ドルの安値を記録す るなど、950ドルを割り込む場面も見られた。 他貴金属の足取りに連動する動きながら、3月3日から13日にかけてもちあった 水準に回帰していることもあり、もちあいへシフトすることになりそうだ。 MINKABU PRESS
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