【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における3月 18日時点の大口投機家の売り越しは402万3533枚となり、前週の404万 1340枚から縮小した。取組高合計は4639万8673枚となり、前週から27万 7107枚(0.6%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が10.4%増、債 券合計が1.4%増、為替合計が18.5%減となった。商品市場の取組高は、穀物合 計が1.0%増、エネルギー合計は2.6%減、金属合計は5.0%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻 しを上回って買い越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大し た。為替は買い戻しが手じまい売りを上回って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利が据え置かれたが、年2回の利下 げ見通しが示された。ただトランプ米大統領の関税政策に対する不透明感が強く、ドル 安は一服した。米国は4月2日に相互関税を発動する方針である。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が12万2964枚買い越し(前週13万 3902枚買い越し)、ユーロは5万9425枚買い越し(同1万3090枚買い越 し)、英ポンドは2万9402枚買い越し(同2万9193枚買い越し)となった。ユ ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が米ロ首脳会談でウクライナのエネルギー施設やインフラに対す る攻撃を30日間停止することで合意したことが圧迫要因になったが、イスラエルのガ ザ攻撃などによる地政学的リスクを受けて押し目を買われた。金はドル安や貿易戦争に 対する懸念を受けて史上最高値を更新したのち、利食い売りが出て上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万6823枚買い越し(前 週16万4126枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ ーク金は25万7932枚買い越し(同23万6100枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは2万0507枚買い越し(同1万5748枚買い越し)に拡大した。金は新 規買いが新規売りを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが23万9376枚買い越し(前週26万 8357枚買い越し)、大豆は8277枚売り越し(同1万2140枚売り越し)に縮 小した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は新規買い、買い戻しが入 った。前週のコーンは、米国産作付面積見通しの上方修正が圧迫要因になったが、輸出 増加や南米の生育不安を受けて押し目を買われた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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