ゴム週間展望=下値模索、短期の反発は売り場提供か

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [4月7日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         3月31日〜4月4日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 25年9月限       346.6      349.4(31)    318.7(4)     320.7    - 28.5
 RSS先限      348.0      348.0(31)    330.0(4)      330.0     - 22.0
 TSR20    294.0      294.0(31)    270.0(4)     270.0     - 24.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 146.04円  前週末比 4.62 円高
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【前週までのレビュー】米景気の減速感が強まっていることから、売りが優勢になると
みた。
【相互関税の混乱が続く】
 トランプ米大統領の相互関税を受けた金融市場、商品市場の混乱が止まらない。JP
XゴムRSS3号もこの影響から、下値を模索する展開になっている。活発限月の期中
9月限は、4日に318.7円まで下落し、一代安値を更新した。3、4日の2日間で
20円超の下落となっている。短期的には売られ過ぎであり、目先、自律反発場面があ
るとみる。ただ、連日高値を更新していたドル建て金が、昨日、大幅安となった。セー
フへブンである金が売られたことは、市場全体の混乱がキャッシュ化を促したとみる。
リーマンショックの際のように、相場崩壊は最初の下落のあとに、戻りがあり、その
後、大底を付けるような下げがくることが多い。3日からの下げは初動と考えられ、短
期的な戻りを経て下値を模索する展開なる可能性がある。
【中国景気は底入れか】
 3月31日に中国国家統計局から発表された3月の中国製造業PMI(購買担当者景
気指数)は、50.5となり、市場予想の50.3、前月の50.2をともに上回っ
た。あ2カ月連続で景気の分かれ目とされる50を上回ったことは注目に値する、。詳
細をみると、新規受注は前月比0.7ポイント上昇の51.8となり、2カ月連続で
50を上回り、生産も同0.1ポイント高の52.6で2カ月続けて50を上回ってい
る。
 中国の景気回復は遅れていたが、ここにきて回復が目立ってきた。香港ハンセン指数
は、年初から約16%も上昇しており、下落が著しい米国株と異なった動きをみせてい
る。トランプ関税が中国に与える影響が気になるが、中国の景気回復が本格的になれ
ば、ゴム相場にとっては支援材料になる。
【上海ゴムは下値模索】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、下値を模索する展開となっている。3月31日に終
値ベースで1万7000元を下抜くと、4月3日に1万6280元まで下落し、一代の
安値を更新した。米中貿易摩擦が深刻化するなら節目の1万6000元や1万5500
元を目指す可能性がありそうだ。
【東京ゴム活発限月の9月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の9月限は、大幅安となった。3月に入ってからの値動き
をみると、3日に363.0円まで上昇したが買いは続かず、上海安や円高に加え、米
国は起点とした世界的な報復関税の応酬となると、11日には335.4円まで下落
し、一代の安値を更新した。その後、340〜350円前後でのレンジ相場となってい
たが、25日に節目の350円を終値ベースで上抜くと、28日には357.7円まで
水準を引き上げた。ただ、同水準で戻りを叩かれると、4月2日(日本時間3日午前5
時)に発表された米トランプ政権の相互関税を嫌気して3日から急落、4日の午前中に
318.7円まで下落し、連日の一代の安値更新場面となった。
 一段安となった場合、すでに一代の安値を更新しているため、特に目立った支持は見
当たらない。節目の310円や300円を意識した展開になる。一方、反発となれば、
節目の340円突破が最初の関門。これに成功すれば、再び340〜350円前後のレ
ンジ相場に押し戻される。
【今週の注目ポイント】
 トランプ関税に端を発したに金融・商品市場の混乱に注目したい。同関税は、4月3
日から発効されたが、株価は急落し、為替市場ではドル売りが起こっている。この流れ
が継続するようなら、ゴム相場は一段安となる。
【相場予想レンジ】
 4月7〜11日のJPXゴムRSS3号9月限の中心レンジ予想は310〜350
円。テクニカルの支持線は315.0円(節目)、抵抗線は330.0円(節目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
 7日 独貿易収支 2025年2月(連邦統計庁)
    独鉱工業生産指数 2025年2月(経済技術省)
    ユーロ圏小売売上高 2025年2月(EUROSTAT)
 8日 国際収支(経常収支) 2025年2月(財務省)
 9日 政策金利公表(NZ準備銀行)
    米FOMC議事録公表 3月18-19日(FRB)
10日 企業物価指数 2025年3月(日本銀行)
       ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    中国消費者物価指数 2025年3月(国家統計局)
    中国生産者物価指数 2025年3月(国家統計局)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米消費者物価指数 2025年3月(労働省)
    米財政収支 2025年3月(財務省)
11日 上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独消費者物価指数 2025年3月確報(連邦統計庁)
    英貿易収支 2025年2月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2025年2月(国立統計局)
    米生産者物価指数 2025年3月(労働省)
    米消費者信頼感指数 2025年4月速報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
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