CFTC大口投機資金動向(4/8時点):金・原油買いが縮小

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月8
日時点の大口投機家の売り越しは446万9952枚となり、前週の448万5229
枚から縮小した。取組高合計は4657万3359枚となり、前週から85万7586
枚(1.9%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が9.1%増、債券
合計が2.7%増、為替合計が微減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が1.5
%減、エネルギー合計は2.8%増、金属合計は8.7%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを
上回って売り越しを縮小、債券で買い戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮小し
た。為替は買い戻しが手じまい売りを上回って買い越し(ドル売り)に転じた。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、トランプ米大統領の強硬姿勢を受けてリスク回避の動きとなったが、相互関
税の90日間停止を発表すると、リスク回避の動きが一服した。ただ米中の貿易戦争は
激化し、米国のトリプル安となった。各国の交渉の行方を確認したい。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が14万7067枚買い越し(前週12万
1774枚買い越し)、ユーロは5万9980枚買い越し(同5万1835枚買い越
し)、英ポンドは1万7310枚買い越し(同3万4626枚買い越し)となった。ユ
ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。

 商品市場では、原油が米中の貿易戦争激化に対する懸念を受けて急落し、2021年
2月以来の安値55.12ドルを付けたのち、相互関税の一部停止を受けて下げ一服と
なった。金は米中の貿易戦争激化に対する懸念や米国のトリプル安を受けて史上最高値
を更新した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が13万9595枚買い越し(前
週16万7685枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ
ーク金は20万0715枚買い越し(同23万8434枚買い越し)に縮小、ニューヨ
ーク・プラチナは794枚売り越し(同1万4975枚買い越し)に転じた。金は手じ
まい売りが買い戻しを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが17万2882枚買い越し(前週16万
6869枚買い越し)、大豆は1万6848枚売り越し(同3512枚売り越し)に拡
大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規売りが新規買いを上回った。
前週のコーンは、米国の相互関税の一部停止や需給引き締まりの見方を受けて買い優勢
となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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