CFTC大口投機資金動向(4/29時点):原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月
29日時点の大口投機家の売り越しは431万4277枚となり、前週の411万
6077枚から拡大した。取組高合計は4617万0570枚となり、前週から39万
7835枚(0.9%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.8%減、債券
合計が2.4%増、為替合計が1.5%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
7.3%減、エネルギー合計は0.5%増、金属合計は1.5%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買戻し
を上回って売り越しを拡大、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大し
た。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ドル売り)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米中の貿易摩擦の改善期待や、米国と一部貿易国の関税交渉の合意期待を受
けてドルが買い戻された。一方、4月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は17万
7000人増と市場予想の13万人増を上回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)
で金利据え置きが見込まれている。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が17万9212枚買い越し(前週17万
7814枚買い越し)、ユーロは7万5797枚買い越し(同6万5028枚買い越し
し)、英ポンドは2万3959枚買い越し(同2万0490枚買い越し)となった。ユ
ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。

 商品市場では、原油が景気後退懸念やサウジアラビの原油安受け入れを受けて売り優
勢となった。金は米中貿易戦争の緩和期待やドル高を受けて調整局面を継続した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が17万7209枚買い越し(前
週17万0955枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ
ーク金は16万3318枚買い越し(同17万5378枚買い越し)に縮小、ニューヨ
ーク・プラチナは9962枚買い越し(同5677枚買い越し)に拡大した。金は手じ
まい売りが買い戻しを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが17万5429枚買い越し(前週21万
9843枚買い越し)に縮小、大豆は5万9473枚買い越し(同5万5684枚買い
越し)に拡大した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は買い戻しが手じま
い売りを上回った。前週のコーンは、米産地の順調な作付けや南米の好天、ドル高を受
けて売り優勢となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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