【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における5月 13日時点の大口投機家の売り越しは456万2733枚となり、前週の467万 0351枚から縮小した。取組高合計は4700万3618枚となり、前週から73万 8261枚(1.6%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.9%増、債券 合計が1.9%増、為替合計が微増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が3.4 %増、エネルギー合計は0.6%減、金属合計は1.5%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は新規売りが新規買いを上回って買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米中の関税引き下げ合意を受けて貿易摩擦の緩和期待が高まった。ただ米小 売売上高の伸び縮小や米ミシガン大消費者信頼感指数速報値の低下などで米経済の先行 き懸念が残っている。米国と各国の貿易協議の行方を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が17万2268枚買い越し(前週17万 6859枚買い越し)、ユーロは8万4774枚買い越し(同7万5719枚買い越 し)、英ポンドは2万7216枚買い越し(同2万9235枚買い越し)となった。ユ ーロは新規買いが新規売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が米中の関税引き下げ合意や米国のイランに対する制裁などを受 けて堅調となった。金は貿易摩擦の緩和期待を受けて売り優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が18万5301枚買い越し(前 週17万5428枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ ーヨーク金は16万1209枚買い越し(同16万2497枚買い越し)、ニューヨー ク・プラチナは9316枚買い越し(同9510枚買い越し)に縮小した。金は新規売 りが新規買いを上回り、プラチナは手じまい売りが買い戻しを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが1万8106枚買い越し(前週11万 5899枚買い越し)に縮小、大豆は6万5178枚買い越し(同4万9385枚買い 越し)に拡大した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は新規買い、買い戻 しが入った。前週のコーンは、米産地の順調な作付けや需給緩和観測が圧迫要因になっ た。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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